ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その43 » 伯爵カイン(由貴香織里)

530 名前:1/3 投稿日:2006/03/12(日) 20:24:18
別の人気シリーズ「伯爵カイン」も後味悪い。
「赤い羊の刻印」「少年の孵化する時」はこのシリーズの作品。
ずいぶん前に読んだので、間違っている所があるかもしれない。

シリーズ初期は「毒の伯爵」の異名を持つ主人公が、毒が関係する殺人事件に関わるという
ミステリー展開な短編で構成されていた。
少女漫画なので、殺人事件の原因は男女の愛憎のもつれが主体。
主人公カインが去った後には死体がゴロゴロで、なかなか後味悪い話が多い。

シリーズ中盤以降はだんだん主人公カイン自身の問題が物語の中心になっていく。

カインは父アレクシスが姉オーガスタを犯して産まれた近親相姦の子。
オーガスタは弟に犯された挙げ句に、カインを産んだショックで発狂。
アレクシスは愛する姉の発狂と死の原因になったカインを虐待して殺そうとする。
屋敷に幽閉状態で育てられたカインは虐待されても父アレクシスを愛していたが、
幼いカインを守ろうとする使用人リフとの出会いによって「父が自分を憎んでいる」と自覚。
父アレクシスはカインによって返り討ちにされて死亡。(毒を飲んで海に落ちた)

カインは十代半ばで伯爵家を継ぎ、彼に忠実なリフは伯爵家の執事となる。
(父アレクシスは生きていて、『デライラ』という秘密結社の長として暗躍を続け、
カインや周りの人達は『デライラ』の幹部達に苦しめられることになる)

カインには発狂伯母(生母)や虐待父への愛情を筆頭にして
「血が繋がった人間しか愛せない」という悪癖(思いこみ?)がある。
死んだ初恋の女性は従姉妹だが、オーガスタの娘なのでカインにとっては異父姉。
父が使用人に産ませた異母妹が登場すると、執着じみた家族愛でもって溺愛する。

美しい婚約者(血縁無し)に冷たく接するカインにも、やがて人並みの春がやってくる。


531 名前:2/3 投稿日:2006/03/12(日) 20:25:00
謎めいた占い師の美少女メレディアーナにカインは恋をする。
メレディアーナは産まれ育ちも明確な貴族の娘で、カインとは一滴も血の繋がりはない。

しかし、メレディアーナは『デライラ』の人間に操られている立場の人間だった。
カインの婚約者がメレディアーナが原因で殺されてしまい、
罪に苛まれるメレディアーナはカインの元を去ろうとする。
カインは自分のもつ歪んだ近親愛を嫌悪しており、血に縛られない愛情を抱いた
初めての女性メレディアーナを(彼女の罪を承知で)引き留め、愛を誓う。

カインは睦言で「水色の瞳に懐かしさを感じる」と、ある意味非常に危険な台詞を吐くが、
 『デライラ幹部でカインの異母兄』からカインをかばい、メレディアーナが自殺。
 『メレディアーナを裏切った元恋人の男』がカインの溺愛する妹を泣かせた後に、
 『メレディアーナの母(カインの婚約者を殺した真犯人)』に殺される。
  カインの妹に言い寄る男は『実は兄のカインの事が好きだった』と判明。
などの衝撃的な展開の数々が直後に起きるのでどうでもよくなる。

しかし【衝撃の結末フラグ】はしっかりこの時に立っていた。

この後作者は、>>518で紹介した別シリーズを刊行。
六年以上の長い時間をあけて、伯爵カインの最終シリーズは再回された。
(発行済みの本を手放したり、細かい展開を忘れた人は沢山いたと予想される)

ついに主人公カインと父アレクシスは宿命の対決をする事になるが、ここにきて
カインの影のように常に付き従ってきた忠実な僕・執事リフが『デライラ』の幹部だと判明する。
優しく思いやり深いリフの人格は催眠で作られた仮の人格で、
本来のリフは金のために弟を殺すような非情の極悪人だった。
種明かしが数年遅くなっただけで、リフがカインの世話役になったこと自体が、
父アレクシスが仕組んだ陰険な嫌がらせだった。


532 名前:3/3 投稿日:2006/03/12(日) 20:27:18
カインを精神的に打ちのめしご満悦な父アレクシスも実は本当の黒幕ではなかった。
真の黒幕はカインの生母でアレクシスの実の姉、今は亡きオーガスタ。

邪な愛情を抱いて実の弟を誘惑したオーガスタは淫行の末にカインを産んだ。
アレクシスは近親相姦の罪の子カインが産まれると、動揺して姉を避けるようになる。
オーガスタは弟の気持ちが離れる原因になったカインを憎んでいた。
オーガスタは弟アレクシスが妻を迎えたことに嫉妬して発狂する。

アレクシスへの当てつけに自殺したオーガスタは怨霊化。
オーガスタはアレクシスに取り憑いて、憎いカインを殺そうとする。
しかも死霊化したことに不満を持つオーガスタは生き返るために
『デライラ』という非合法な生体実験を行う秘密組織まで作り上げていた。
(カインの恋人メレディアーナは『デライラ』によって不完全に生き返った人間。
『デライラ』の技術で定期的に臓器を交換しないと生きられない彼女は、自ら死を選んだ)

最終戦でリフはカインの忠実な僕だった頃の感情を取り戻し、カインの元へ駆け付けてくる。
が、なんと『リフもデライラが再生させた死人』だと判明する。
怨霊オーガスタの復活を阻むと、復活の舞台になった建物は崩壊を始める。
カインは死にゆくリフの元に留まり、瓦解した建物は全てを飲み込んだ。

主人を抱いて死んだ忠実なる執事リフ。
そうです、彼の瞳こそが『水色』だったのです。

悲劇の美少女メレディアーナ・・・君が愛した男は重大な勘違いをしていたようだよ・・・。
怒濤の腐女子展開に、昔から読んでいた非腐女子の読者の気持ちも浮かばれまい。


533 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/12(日) 20:34:04
>>532
妹はどうなったんだ…。

535 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/12(日) 20:57:10
>>533
妹は父親アレクシスがメイドに手を出して産ませた子ってことになってたけど、
本当は父親の種じゃなくて、何の血のつながりもない娘で、
その本当は何の関係もない妹が家を継いだよ。
そんで、カインそっくりの婚約者を亡くして、カイン目的で近づいてきた男(一応貴族)と結婚して妊娠。

 

伯爵カイン 第1巻 (白泉社文庫 ゆ 1-11)
伯爵カイン 第1巻
(白泉社文庫)(全6巻)


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