フルメタル・ジャケット(グスタフ・ハスフォード)

851 名前:1 投稿日:2006/03/18(土) 09:35:45
フルメタルジャケット

時代はベトナム戦争真っ只中。
主人公は新兵海兵隊員でその訓練のため、訓練校に入る。
海兵隊の訓練は正に地獄でそこの教官ハートマン軍曹も鬼のような人。
軍曹に目利きされるなか訓練生はアダ名をつけられていく。
主人公はジョーカー、カウボーイなど・・・その中で一際体格で目立つ青年に鬼軍曹は目をつけた。
青年は何故かニヤニヤ笑うデブ。軍曹が笑うのやめろと怒鳴ってもなかなか顔が締まらない。
そこで軍曹がつけたあだ名は「微笑みデブ」

そして訓練生たちの地獄のような特訓生活が始まる。「殺人マシーンとして生まれ変わる」ために
だが、デブは体格通りの人物だった。特訓では走れない。跳べない。
食い物持込禁止なのに持込して鬼軍曹に見つかり、訓練生が変わりに責任取らされたり。
あまりのだめっぷりに軍曹は優等生であり室長のジョーカーにデブの教育一任する。
最初はあまりにだめっぷりにあきれてたジョーカーだが、デブはジョーカーによくなつき
ジョーカーもそれなりには彼と親しくなっていった。

しかし皆に迷惑をかける人間が受け入れられるはずもなく、デブは他の訓練生全員にリンチにされる。
そして流れに乗ってしまったジョーカーもその中にいた。
リンチが痛かったのか裏切られたのが悔しかったのか夜中にすすり泣くデブ。


853 名前:2 投稿日:2006/03/18(土) 10:08:37
しかし次の日からデブは人が変わった。
微笑みデブの微笑みはなくなり、目は鋭くなり訓練はどれもキチンとこなす。
まさに軍曹の言う「殺人マシーン」となっていくように
そんな中で鬼軍曹はデブの才能を見出す。それは射撃。デブの射撃の腕はピカイチで軍曹も喜ぶ。
だがジョーカーは変わっていくデブに気味悪さを感じていた。

していよいよ訓練最終日の夜、ジョーカーはその日の見回り当番をしていた。
するとトイレには独り言を喋りながら実弾を込めるデブの姿がいた。
ジョーカーは軍曹に見つかったら大変だぞとなだめる。
しかしデブは「殺人マシーン」となっていた。
デブの叫び声で駆けつけた軍曹を容赦なく撃ち殺したデブは銃口を自らの口入れて引き金を引いた。

その後訓練を終え、ベトナムで記者兼兵士として活躍するジョカーは
ある日なつかしい訓練仲間のカウボーイと再開、彼と作戦をともにする。
作戦途中で次々と死んでいく仲間たち。そしてある廃墟で狙撃兵によりカウボーイも死んでしまう。
おそらくはベテランの狙撃兵に多くの仲間をやられるがジョーカーたちはなんとか狙撃兵を仕留める。
だがその多くの仲間の命を奪った狙撃兵はまだ幼い少女だった。
瀕死の少女は「殺してくれ」とジョーカーに頼む。「殺人マシーン」であるジョーカーは引き金を引いた。
そして何事もなかったかのように歌を歌いながら進撃するジョーカーたちで終わり。

「殺人マシーン」になれと言われ「殺人マシーン」となって壊れたデブの末路
「殺人マシーン」となりきれず戦争という現実を知ったジョーカーの末路が後味が悪かった
劇中ヘリから一般人を撃ち殺す兵(AAで有名な戦争は地獄だぜーの人)も
元ネタが元ネタだけに素直に笑えなかった。

 

フルメタル・ジャケット (角川文庫)
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