ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その44 » 料理する女(手塚治虫)

418 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/28(火) 18:33:29
手塚治虫なら「料理する女」も面白いよ。
舞台はある山奥の、老人専門の精神病院。
仕切るのはヤセ型メガネの真面目そうな医者と数人の看護婦。
そして腕もよく、ふくよかでやさしい料理女である。
ボケた老人たちにも丁寧に対応し、美味い肉汁が得意料理だった。
そんな病院で、老人の失踪事件が相次いでいた。
今回もCという老人がスリッパを残して、忽然と消えてしまった。

現在の入院患者は全員男性の老人ばかり。
もと文士のA。今も小説を執筆中だが、その文字は全く形になっていない。
娘に殺されると言い続けるB。毒入りの茶を飲まされ掛けたという。
いつも空腹感のあるD。調理場に通っては食事をねだる。
気難しいE。厄介払いで病人に仕立てられたと言い張り、医者を恨んでいる。
刃物が好きなF。どこからか手に入れては喜んで見ている。
オカマのG。医者をさかんに部屋にさそったりしている。


419 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/28(火) 18:34:31
捜査に来た刑事に、医者が犯人だと進言するE。
刃物好きのFに凶器を与えてやらせたと言うのだ。
刑事は一応従業員にきいてみるが、料理女などは医者をかばい、
あんな立派に人はいないという。雨になり、刑事はいったん引き上げる。

その日はBの娘というのが面会に来ており、
しきりに父親をかまおうとするが、冷たくあしらわれていた。
期をのがして帰りそびれた娘は、雨に閉じこめられてしまう。
部屋で医者と雑談をする内に、医者の目つきが陰険になってくる。
危険を感じて逃げようとする娘を組み敷き、レイープ開始!
「訴えてやる!」「いいや、キミは訴えない」
アワヤの所で医者に頭突きを喰らわし、部屋から逃げようとする娘。
たが扉の向こうにはEが立ちはだかっていた!…が様子がおかしい。
Eのみぞおちにはナイフが深々と刺さり、すでに息絶えていた。
腰を抜かす娘の前で、Eは倒れる。
凶器のナイフは、皆が知っている、Fのナイフであった。

Fを責め立てる他の患者を制し、Bが推理を始める。
まずEは、左のみぞおちを刺されて死んでいた。しかるに、
Fは左利きである。これで、Fはひとまず犯人ではないとされる。
また、医者の部屋の前には、血しぶきも血だまりもなかった。
だから、刺されたのは別の場所なのだ。


420 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/28(火) 18:36:09
また食ってばかりのDが、死体に冷蔵庫の匂いをかぎ取った。
こっそり調理場に出入りしているDならでは発見だった。
老人たちは、その夜こっそり調理場を調べることにする。
だが空腹のため(ボケもあって)Dは抜け駆け。
深夜の調理場に忍び込み棚をあさっていたDは、
棚の一つに妙な形の食べ物を見つけた。それは人間の片腕であった。
直後、背後から何者かに殴り倒されるD……。
そこへ間一髪、老人たちが駆けつける。
Dを調理台に乗せ、今しも肉切り包丁を突き立てようとしていたのは、
あの人のよさそうな料理女であった。
目をギロつかせ、歯をむいて振り返ったその顔はまるで別人であった。
女はずっと前から狂っていた。うろつく老人を殺しては調理し、
食事に出していたのだ。Eはいったん冷蔵庫にしまわれたものの、
息を吹き返し、必死の思いで逃げ出したのだ。
今まで仲間を食ってきたと知り、嘔吐する老人たち。
病院から逃げ出す料理女。医者が追うが、外は雨である。
崖に追いつめられた料理女は、足をすべらせ、
おそろしい叫び声とともに転落して行った。

421 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/28(火) 18:40:34
翌朝、刑事の質問に、まったく正常人と同じだったと答える医者。
それに、皆に好かれていた……。
複雑な面もちの医者に、近づくBの娘。
その娘に医者は、料理女が死んで良かった、と話す。
女は医者の秘密を知っていた。狂人でも、いつバラすか不安だったという。
「先生も狂ってるんだわ」
「いまどきの人間、誰も正気の者はいませんよ」
「で、私の父はいつ殺してくださるの? せっかくお金をつんだ
預けたんだから、ぜひやっていただきたいわ」
これが医者の秘密だった。BやEの懸念はある意味正しかったのだ。
もう患者を使うことはできないから、
別の方法を考えると約束する医者。娘は美しい顔を曇らせて言う。
「ああ、いやだいやだ。百歳以上の年寄りが、
ウジャウジャ世間にいるなんて。平均年齢が上がっても、
モウロクだけは治せないし。
老いぼれて何の役にもたたない年寄りなんてまっぴらだわ」
そんな娘に、医者は一喝する。
「あなたもいずれ、そうなるんだ!」

帰り道、医者は事故現場帰りの老人たちに追いつく。
事件を解決し去っていくB。
医者は遠くから、「外の風は冷えますよ」と声をかける。
いずれは殺さねばならない相手への、せめてもの心遣いであった。


423 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/28(火) 20:05:12
レイプ未遂の医師が被害者の娘に説教?

432 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/28(火) 22:50:44
>>423
ちゃうちゃう。
医者は、最初から娘に好意のカケラもなく軽蔑していて、
金と引き替えに患者を殺してる自分自身の異常さも充分わかってて、
娘の事も自分の事も大嫌いなのさ。
一人一人のキャラクターの深さが、絵の表情とか見るともっと伝わるので、
ぜひ一度読んでみて。
わしは、講談社の「手塚治虫恐怖短篇集 悪魔の迷宮編」で読みますた。

474 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/29(水) 22:25:15
>>432
医者が娘を嫌っていようがいまいが
「レイープ未遂行為」に対しては
医者が加害者で娘が被害者ってのにかわりなくね?

 

サスピション (手塚治虫漫画全集 (284))
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