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675 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/02(日) 19:34:17
今日、家族で出掛けてとてもおいしい中華料理を食べてきて、ふと思い出した話。
中国語の教科書に載ってた、中国の近代短編小説だったと思う。

定年退職後、これといった趣味もなく、生気のない暮らしを送ってきた主人公の老人。
自分の70歳(?)の誕生日を目前にして心機一転、料理を勉強し、
親戚一同を呼び集めて自分の料理でもてなし、70歳の誕生日を祝おうと奮起する。
家族やら長幼の序やらを重んじる中国のことなので
老人の誕生日には一族郎党、すごい人数が集まった。
中国で「ごちそう作っておもてなし」といったら、
そりゃもうテーブルの表面が見えなくなるほどの品数を揃えるのが基本。
比喩でなく、お皿を重ね合って並べるくらいの品数を揃えなきゃ
「もてなし」とみなされない。
でも、料理を始めたばかりの老人は、まだ「肉だんご」しかまともに作れない。
だから、せめて山ほどたくさんの肉団子を拵えて親戚たちに味わってもらおうと
誕生会の朝は早くから何十キロもの肉やにんにくを買ってきて、
すごい量の肉団子を作りに作りまくった。


676 名前:675つづき 投稿日:2006/04/02(日) 19:34:51
肉の蒸しあがるいい匂いを満足げに胸いっぱい吸い込む主人公。
親族の喜ぶ顔を思い浮かべて胸が躍るようだった。
中国では料理を取り分けるのは家長の仕事なので、老人は皆の皿に肉団子を配って

さあどうぞ!と誇らしげに勧めた。
…が、皆、配られた一皿を食べ終えたら、食べ盛りの孫すら早々に箸をおいてしまう。
どうした?まだまだお替りはあるぞ、どんどんお食べ!と勧めながら
あ、そうか、主役のわたしが食べなきゃ、みんな食べにくいよな!と気付き
いそいそ自分も食べ始める主人公。
しかし、主人公も一口食べただけで箸を置かざるを得なかった。
肉団子には、まるで味がついていなかったのだ。
料理初心者の主人公は、初の大量調理にテンパって、
一切の調味料を入れ忘れていたのだった。
集まってくれた皆は、年長者である主人公に「マズイ」とも言えず
味のしない肉団子を無理やり食べてくれていたのか・・・
それにしても、味ナシの失敗作をこんなに大量に作ってしまってどうしたらいいのか・・・
そして今日の宴をこの後どうすれば・・・もう料理なんて二度とするまい・・・
絶望感にうちひしがれた主人公の目から、
肉珠(にくだんご)ならぬ涙珠がぽろぽろととめどなく零れるのだった。

・・・という話。なんかもう、せっかく頑張ったおじいちゃんが可哀想で可哀想で。
この教科書に載ってた短編は基本的にハッピーエンド少なかったけど
じぶんがいちばんやりきれない気持ちになったのはこの話しだった。
老人が悲しい思いをするのは辛いよ。しかも滑稽味も漂ってるとこがまたやりきれない。


677 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/02(日) 19:44:35
醤油とか味噌とか付けて食えばいいじゃんと思ってしまった。
いや、そういう問題ではないのは重々承知なんだが。

678 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/02(日) 19:46:22
塩なりなんなりつけて食えよ!

679 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/02(日) 20:45:44
でも下味を付けない肉って後で調味料つけても美味しくないからなあ
塩も何もつけずに肉とタマネギだけで作ったハンバーグに美味しいソースかけても何だかなあってなる
まあ俺も、そういう問題ではないのは重々承知なんだが

681 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/02(日) 20:53:07
ホントだよな。
親戚の奥さん連中も、気を利かせて
「今から一緒にタレを作りません?」
くらい言ってあげればいいのに。

682 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/02(日) 20:53:08
しかしいくら美味い肉団子でも、テーブルを埋め尽くすほどの肉団子“のみ”を喰わされたら
ちょっと辟易だな…
俺がその場にいたら、おじいちゃんの肩をそっと叩いてやって「ドンマイ」と声をかけてやるさ。

683 名前:678 投稿日:2006/04/02(日) 20:56:08
いや、分かってるがじいさんの気持ち考えると
どうにもやりきれなくて…
年寄りのそういう話の切なさは、
子供や若者の比じゃないな。

684 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/02(日) 21:20:07
すげえ悲しくなってきたよ・・・

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