砂の女(安部公房)

411 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/16(日) 11:59:44
安部公房の「砂の女」
他人様のレビューから

-思いがけず砂に支配される村で穴の中に閉じ込められ、
 逃げることすらかなわずにただ過ぎていく日々。そして積もっていく砂、砂、砂…。

-砂の家に監禁された男が逃亡を試み、失敗し、絶望し、徐々にその生活に慣れ、
 いつしか自分の日常として 受け入れていく

こういう感じ
映画化もされているけど、小説は古本屋の立ち読みで流し読みだった
だけど、怖かったなぁ
真の恐怖ってこれかなぁとか思ったな
人間の逸脱した心理?慣れから来る心境?
それを語った奇妙な話。
後味悪くて、今でも読みたいけど、きっちりと読めない話しの一つ


413 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/16(日) 13:09:58
>411
自分も読んだが、読後なんだか妙に無力感を感じた。
話、わからない人もいると思うので以下Wikiより転載。
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主人公は砂漠に新種のハエを採集しに向かうが、
砂漠の中の村で寡婦が住む家に滞在するように勧められる。
村の家は一軒一軒砂丘に掘られた蟻地獄の巣にも似た穴の底にあり、
はしごでのみ地上と出入りできる。
一夜明けるとはしごが村人によって取り外され、
主人公は女とともに穴の下に閉じ込められ奇妙な同居を始める。
村の家々は常に砂を穴の外に運び出さない限り砂に埋もれてしまうため人手を欲していた。
村の内部では村長が支配する社会主義に似た制度が採られている。
主人公は砂を掻きだす作業をしながらさまざまな方法で抵抗を試みるが、
結局女と関係し彼女が妊娠するころには村を脱出する気力を完全に失う。
そのとき再びはしごがかけられ自由に穴の外へ出られるようになる場面で小説は終わる。
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初めは隙あらば必死に脱出しようとしていた主人公が、
最後には流されるままに気力を失っていくのがこわい。

414 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/16(日) 13:19:03
女は子宮外妊娠しちゃうんだよね。
そんでもって砂は外の世界に売られていく。
コンクリに作るのに使ったりするためなんだけど、実はそこの砂には
たっぷり塩が混じってて、それを使ってコンクリートを作ったら大変な
ことになるのがわかってて売ってる。

415 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/16(日) 13:28:48
>そのとき再びはしごがかけられ自由に穴の外へ出られるようになる場面で小説は終わる

それよりも、
「ザルを使って水を貯められることがわかった。
 この感動を誰かに伝えたいw」
みたいな〆が印象に残ってる。


416 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/16(日) 13:36:14
>>413の無力感
それ、正にそんな感じ。気怠いとか、そんな、どんよりとした曇り空な雰囲気?

寡女を妊娠させて、もう梯子が掛けられて、
何時出て行ってもいいようになれたのに、出て行かなくなった
出て行きたいと策を労してた頃の方が充実していて良かったと思えるようにまでなっている
最後には、七年目の失踪宣告が出て、死亡確認みたいのが裁判所から下りて終わる、みたいな

うん、怖いというかモニョるというか、言葉では言い表せない感じがしたよ
読んだのが年齢いってからだったのも、そんな気にさせられたのかもしれない

何かね、どっかの国の捕虜への仕打ちとして、
一日目には延々穴を掘らせ続けて、2日目には延々それを埋めさせ続けて…
を、繰り返すのがあるんだって
あまりにも無意味な事を繰り返させられて、最後には本当に人間の精神が崩壊していくらしいんだけど、
そんな感じ?
とにかく雰囲気も上手かったし、しばらくは無気力になったよ

 

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