心が読める少女と無口な少年

718 名前:1/3 投稿日:2006/05/27(土) 23:51:11
だいぶ前に少女向けホラー系短編集の単行本で読んだ漫画。
タイトル、作家名は失念。

主人公の少女は、他人の心の中を望まず悟ってしまう能力を持つ。
そのため、周囲の人間の外面とは裏腹な本心に内心うんざりしていたが、
仕方のない事だと諦観して周囲の人間と付き合っていた。
そんなある日、少女のクラスに一人の少年が転校してくる。
可愛らしい外見の転校生に色めきたつ周囲をよそに、少女は一人驚愕していた。
少年の背後に、不気味で醜いゾンビのような人影が見えるのだ。
しかし、どうやらそれが目に見えるのは少女だけのようで、周囲の人間はそれに気がつかない。
どうやらそれは、『少年の心』の分身のようなものであるらしい。
少年は綺麗な外見とは裏腹に、無口でめったに感情を表に出さない陰気な少年だった。
それを心配した担任教師に話しかけられると、少年の背後の不気味な人影は頬を染め、
瞳をキラキラと輝かせて担任教師を感謝の眼差しで見つめた。
少年自身は話しかけた担任教師に全く反応を示さず、担任教師はそれを苦々しく思う。
(チッ。面倒な生徒が転校してきたものだ。頼むから、俺の担任中は面倒を起こさないでくれよ)
優しげな微笑を浮かべながら少年の肩を叩く担任教師の心の声を聞き、うんざりする少女。
誰に話しかけられても、何をされても無表情、無反応の少年は、次第にクラスメートから嫌われ、浮いていく。
ついにはクラスの男子たちに石を投げられても、無表情のまま逃げようともしない。
しかし、少女には見えていた。少年の背後で、イタイ、イタイ、と泣く人影の姿が。
少女はたまらず少年の前に立ちはだかり、石を握る男子たちを一喝する。
相変わらず少年は何も喋らず無表情のままだったが、背後の人影は涙を流し、
瞳をキラキラさせながら少女の事をあこがれの眼差しで見つめていた。


719 名前:2/3 投稿日:2006/05/27(土) 23:52:26
その日を境に、少年は少女の後をついて歩くようになる。
変な奴に懐かれて、◎◎(少女の名前)が可哀想、と、周囲の友人たちは遠巻きに眺めるだけだ。
少女も迷惑に思って初めは少年を拒絶するのだが、ふとした時、
校庭の花を無表情に眺める少年の後ろで頬を染め、うっとりと花を眺めている人影を目にしたり、
図書室で無表情に本を読む少年の背後でほろほろと涙をこぼす人影を見たりして、
次第に少年に好意を抱くようになる。
そんなある日、修学旅行のグループ決めをする日がやって来た。
当然、少年は孤立し、無表情のまま佇んでいる。背後の人影は困った様子でおろおろと周囲を見回していた。
内心舌打ちしながら、教師は「◎◎(少女)は△△(少年)と仲がいいだろう。仲間に入れてやれ」
と提案するが、少女と同じグループ内に居た生徒は猛反発。
困惑する少女をよそに、それまで無表情で佇んでいた少年は突然
「別に仲がよくなんかありません。迷惑です。僕は一人でいい」と言葉を発した。
少年の背後の人影は(迷惑ヲ掛ケテゴメンネ、ゴメンネ)と涙を流して少女に謝っている。
静まり返る教室をあとにする少年を見て、少女は担任に
「私は△△と二人でグループを組む」と告げ、少年を追いかける。
逃げようとする少年を捕まえ、
「あんたは無口だし、感情を表に出さないけど、本当は誰よりも純粋だって知ってるから」
と告げた。

後日、学校に登校してきた少年を見て、少女は驚愕する。
背後の人影が黒くくすみ、ぼろぼろになっている。
何があったのか聞いても、少年は答えようとしない。
次の日から、少年は学校に来なくなった。
様子のおかしかった少年の事を心配に思い、放課後、少年の家へお見舞いの意味もこめて訪ねていった。
呼び鈴を押しても誰も出てこないので、少女は誰も居ないのかと、窓から家の中を覗いてみた。


720 名前:3/3 投稿日:2006/05/27(土) 23:54:06
裸の少年に覆いかぶさる男の姿があった。
あわてて玄関の扉に手をかけると、鍵は開いていた。たまらず中へ飛び込み、
少女は男の背後から花瓶(?)を投げつけ、男を少年の上からどかした。
少年の安否を気遣う少女の目の前で、少年の背後の人影は砂が崩れるようにかき消えた。
少年を襲っていたのは彼の実父だった。
少年はもう何年も前から実父に性的虐待を受けていた。ついに少年の心は壊れてしまった。

場面変わって、病室の中、ベッドに横たわる少年の姿。(たぶん精神病院)
少年のお見舞いに訪ねてきた少女は泣き崩れ、結局少年を助けてあげられなかったと嘆く。

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話がうろ覚えの上、あまり結末が思い出せないが、可愛らしい絵柄でどことなく
コミカルチックなのに、少年が哀れすぎて鬱になる話だった。
背後の人影(少年の心)がとても可愛く健気に描かれてただけに、心が壊れるシーンは
軽くトラウマ


722 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/28(日) 00:05:09
>少年の背後に、不気味で醜いゾンビのような人影が見えるのだ。

>それを心配した担任教師に話しかけられると、少年の背後の不気味な人影は頬を染め、
>瞳をキラキラと輝かせて担任教師を感謝の眼差しで見つめた。

ごめん、このギャップに笑ってしまった


723 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/28(日) 00:06:20
>>722
そう、そこらへんが凄くコミカルに描かれてて、すんごく可愛いのよ。
それだけにラスト近くの展開が悲惨で悲しい…

736 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/28(日) 01:21:41
これ、読んだ事ある!単行本じゃなく、確か雑誌で読んだ。
が、同じくタイトルならびに作者名は思い出せない…ごめん。

主人公の女の子、その背後の人影に勝手に心の中で「ハナコ(何故ww)」と名付けて
(お、今日はハナコ機嫌よさそう)とかほのぼのと眺めてるんだよね。

>>720にはちょっとだけ後味の良くなる続きがあって、
それまで何事にも無反応で抜け殻のようだった少年は、泣き崩れる少女を見て
「大好きだから もう 傷つかないで 大好きな人だから」と涙を流す。
相変わらずハナコは消えたままだし、少年の心は虚無のまま。

それでも少女は希望を抱き、『いつか、私がハナコをまた生き返らせてみせる』と決意して病院を後にしてEND。
時間は掛かりそうだけど、いつか少年の心は治るかも…?という多少の希望を抱かせるラストだったよ。


759 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/28(日) 14:36:06
その背後霊の話ってたくさんある少女ホラー系の雑誌で読んだ。
ああいう雑誌に描いてる作家って微妙なポジションの人だし、
単行本出す人はあんまりいないから
単行本にならずに消えて行く作品だと思う。

816 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/29(月) 02:56:26
>>718
ホラーMに掲載された作品だと思う。
私も読んだから、作者誰だったかなーとモヤモヤ。
川口まどかだったような気がしたんだけど、やっぱ違うかな。
今でもそれなりに活躍してる人だった気がするけど…