コミックマスターJ/キラー店長(余湖裕輝)

892 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/29(月) 20:58:19
漫画「コミックマスターJ」で実際の事件をモデルにしたと
思われる、万引きに悩まされる書店の話が個人的にかなりの後味悪さ。

漫画をこよなく愛し、ついにはそれを生業にするため書店を開いた青年店長。
しかし、店は万引きの常習犯たちによって甚大な損害を被るようになってしまう。
ある日一人の万引き犯を捕まえて注意しようとした店長だが、犯人は店外に逃げ出して
そのまま交通事故死。死亡したのがまだ少年だった所為もあってか、理不尽な非難の矢面
に立たされる店長。誹謗中傷や罵詈雑言、減ることの無い万引き。店長の妻は心労によって
伏せってしまい、ひょんなことから店長を助けることとなったコミックマスターJにも
事態を打開する妙案がなかなか浮かばない。日ごとに追い詰められていく青年店長。
それでも店長は、最後の心の拠り所のようにこう考えていた。

「万引きする子たちも、方法が間違っているだけで自分と同じように漫画を愛しているんだ」

しかし、当然の如くその考えは裏切られる。
幽鬼のようにやせ衰えた顔で「その日の万引き件数」をチェックしていた(最早捕まえる気力も無い)
店長の耳に、万引き犯達の「この店、金になる(換金できる)漫画ねえじゃん」という会話が耳に
入る。挙句の果てには漫画を床に放り出して足蹴にする犯人たち。
店の経営はどん底、身体を壊した愛妻、漫画を換金物としか考えていない万引き犯。
それまで感じたこともないほどの憤怒にかられた店長は、手近にあった漫画雑誌(分厚いw)で
万引き犯たちを撲殺してしまい、そのまま店に立てこもる。
警官隊に包囲された書店。中に居るであろう店長に向かって、妻が涙ながらに投降を促すも
夫である店長は説得に応じることはなく、やがて警官隊が店内に突入。
だが店内には万引き犯の撲殺死体が転がっているだけで、店長の姿は跡形もなかった。
コミックマスターJは、どこからか持ち出してきたショットガンを放り出しながら
「店長に必要だったのは、コレだけだったのかもしれんな……」とひとりごちて幕。


893 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/29(月) 20:59:27
そして場面は切り替わり、どこかの大型書店でせっせと万引きにいそしむ少年たち。
ところが突然にして店内の照明が消え、次々と店のシャッターが下りていく。
閉じ込められたことに恐慌をきたす少年たちの前に、マスクのように漫画雑誌を顔に
貼り付け、ショットガンを構えた怪人があらわれる。怯える万引き犯たち。
涙ながらに許しを乞い「本当はこんなことしたくなかったけど、仲間はずれにされるから
仕方なく。ごめんなさい」と詫びる一人の少年。怪人は少し威圧を緩め、「好きな漫画は?」
と問う。泣いている少年が答えた漫画のタイトルは、怪人も好きな漫画だったらしく
「お前は許してやろう」と銃口を下げる。しかし、主犯格の少年は換金にしか興味がない為
その場に散らばっていた適当な漫画のタイトルを答える。怪人は再度問う。
「その漫画の主人公が好きな食べ物は?」
少年は答えられない。銃口がゆっくりとその少年の顔に向き、「答えはドリアンだ」という
言葉と共に火を噴くショットガン。血だまりの中、生き残ったのは謝った少年だけだった。
その後、全国各地で同様の射殺事件が多発。被害者は全て万引きの常習犯で、ごく稀な
生存者から得られた殺害犯の情報は「漫画雑誌を顔に貼り付けた怪人」ということだけ。
いつしかその怪人は「キラー店長」と呼ばれるようになった。終わり。

漫画好きでお人よしだった店長が、都市伝説系の怪人に身をやつして永劫にさすらうのが
哀れで仕方ない。 ……殺された万引き犯? どうでもいいよな、そんなん。


894 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/29(月) 21:07:20
>>892-293
あの事件は本当に腹が立ったな。
この話は万引き犯に罰が下って、ちょっと後味良く思えてしまうw

895 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/29(月) 21:10:46
>>894
でも店長と奥さんがホントにいい人に描かれてるから、その辺の救いの無さがすげえ後味悪いんだよ。
毎回、ドラえもん並みに有能なコミックマスターJが、物語の進行上とはいえ完全な傍観者になってるしなw

 

コミックマスターJ 11 (ヤングキングコミックス)
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