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534 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/24(土) 14:29:36
筒井康隆の「母子像」

主人公が赤子の息子に買ってあげたサルの人形は特殊な能力を持っていた。
そのサル人形を持っていた息子の右手が、空中から消えてなくなっていたのだ。
このときは主人公が気づいて、あわてて赤子をこちら側に引っ張り、事なきを得た。
サル人形は、持っている人を異次元に引きずりこむ性質があった。

その後、赤子と妻が蒸発した。
何度か「向こう側」から助けを求めて、ぼうっとした姿で浮かび上がる妻と子。
だが、主人公には助けるすべがない。触ることもできない。

何度目かの時、サル人形だけが奇跡的に主人公の手に戻ってきた。
二人を助けるために常にサル人形を右手に持つ主人公。
気が狂いそうになりつつも、数日が過ぎ、ついに右手が消えはじめる。
そのとき妻の声がはっきり聞こえ、消えていく右手に左手を添えて両手を異次元に持っていく。
左手で妻の足を掴み、「こちら側」へ引っ張る。
足、腰、手、胸、と下半身から順々にだんだんこちらの世界に戻ってくる妻と抱かれた赤子。
あともうすこしだ!
主人公は矢も盾もたまらず、両手で一気に妻と子を「向こう側」から引き摺り下ろした。

そこには首から下だけになった妻と赤子がいた。
サル人形を手放したために、首から上は異次元に取り残されたままになったのだ。
サル人形は「向こう側」に残り、もはや二人を戻すすべは無い。
だが首がなくなっても、二人は生きていた。
首が異次元に残った副作用で、妻と子はその後、まったく歳をとらなくなった。
主人公はいつまでも若々しい妻を見て、このほうがよかったのかもしれない、などと思う。
[完]

これでおしまい。何の救いも無し。
自分のせいで妻と子がひどいことになったのに、
「このほうがよかったかもしれない」はないだろう…


535 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/24(土) 14:38:00
顔無しで若々しいって言われてもな…

536 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/24(土) 14:46:22
それから時々、妻と子供が寄り添っている顔だけの姿が、
幻みたいに見える事があったりするんだよね。
首から下の方は、妻が子供を抱いた姿で、夕暮れの和室とかに無言で座り続ける。
良いとは思えないが、幻想的で、主人公の自虐っぽい雰囲気に満ちてた印象がある。

537 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/24(土) 14:59:07
>>535
所詮おっぱいと穴があれば…って事かね

539 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/24(土) 15:04:16
悪魔が来て、恋人の一部だけ置いていってくれると言ったら、
欲しいのは首から上か、首から下か、どっち?

540 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/24(土) 15:16:30
>539
手首だけあればOK。

 

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