火のみち(乃南アサ)

70 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 02:59:01
主人公は次郎 妹、君子が主体となって話は進む

次郎は戦時中に日本に家族(母・姉15くらい・君子8歳くらい・弟5歳くらい)とともに帰国。
父は戦死、次郎はまだ10才程度
日本に帰国した次郎たちは父の親戚の家に住まわせてもらうが肩身がせまい。
姉は家族を支えるため東京に仕事を探しに出る。

二年ほどたち、母も心労から寝こみがち
次郎は近隣のヤクザから「君子を売春婦にさせろ」といわれ、そのヤクザを撲殺してしまう。
次郎は事件の真相を明かさず懲役10年の刑になる。

君子は純粋に育つが、高校受験の際「兄が受刑者」ということで進路を考え込み
身元をはっきりさせるため、「養子縁組を組まないか?」という話をもちかけられる。
姉からは滅多に便りが無く、次郎を訪ねようにも刑務所での面会は短時間で
受刑している刑務所は遠く、お金も無く受験の相談もできない為
結局養子縁組の話をうけることとなる(母はこの頃死んだかも)

東京で姉は飲み屋に勤めているらしく、その仕送りで君子はなんとか高校をでる。
君子は高校を出た後、優秀なため大学進学を勧められるが「兄が受刑者」ということで
またも「自分は悪くないのに、兄次郎のせいで余計な苦労をしている」と考え込む。
しかし、ここで初めて兄次郎の犯罪は自分を救うためだったと知人に聞き、大学受験をあきらめ
デパートに就職する。
次郎はその頃、刑務所内で陶芸の刑職につき陶芸のすばらしさに出会う。


71 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 03:00:50
君子は三年程デパートに勤務している間に、きらびやかな生活に憧れスターを目指し
仕事を辞め大部屋女優になる。
「いつかは次郎お兄ちゃんを楽にしてあげたい」そんな思いもあった。
大部屋ではなかなかデビューのきっかけもつかめず、いつのまにかプロデューサーに
抱かれて仕事をもらうようになる。

君子が清純派女優としてデビューしたことを誇りにおもいつつ、次郎は刑務所時代の陶芸の恩師に弟子入り。
備前焼をこなしながら、徐々に才能を認められスポンサーも現れる。
そのころ君子は立派な女優としての地位を築き、兄が「元受刑者」であることの発覚を恐れる。

次郎は君子との兄妹関係が世間に露見しないよう精一杯努めるが
君子は徐々に兄の下から離れていく。
一方次郎は「全ては君子の為」を思い、窯仲間にも女優君子との関係を打ち明けず黙々と陶芸を続ける。

数年がたち、次郎も君子も世間から認識を得る人間となった。
君子は芸能界では養子縁組をした家族が本物の家族と認識され、特に困ったこともない。
ある音楽プロデューサーとも結婚し、幸せになりつつある。

ここから数十年が経つ。平穏ではないが、これまでほどの苦労はない。
しかし、兄次郎が徐々に備前焼から陶器への魅力にめざめ古代中国の汝窯への憧れが強くなる。
これまで君子は「次郎は自分のために苦労を重ねてきた」という思いもあり、応援をする。


72 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 03:01:25
次郎は徐々に壊れていき、備前を作るのにも呼び寄せた弟に全てを任せてしまう。
さらに、古代中国の汝窯を追うための資金+研究費を君子に出させ君子も破産寸前。
君子は次郎への資金と夫の借金で夫婦生活は破綻。
ここから兄妹は自分たちだけが頼れる唯一だと確信しだす。

次郎の求める古代中国の汝窯は、中国でも製作方法が謎のまま王朝が終わり現在は作成不可能となっている。
次郎はこれをなんとか復元しようと試行錯誤。
次郎の持論では「メノウを砕いたものを釉薬に使っている」という結論になる。
しかし、このころ次郎60歳程度。 今までの苦労と思いつめる性格の為か認知症になりはじめる。

一方君子へは「中国の陶芸を追う」という内容のドキュメンタリーがもちかけられ
次郎とともに中国へと旅立つ。
次郎はすでに人としての機能をほぼ失いつつあり、これが最後の兄妹の旅行だと君子は悟っている。
旅行中、古代中国の汝窯の謎は解けないまま次郎は死んでしまう。

数年後・・・とある研究グループの結果で古代中国の汝窯の窯と秘策が発見。
それは次郎のいったとおりヒスイで釉薬を作るものだった。
しかしそれを追い求めた次郎はもういない・・・・


73 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 03:02:26
ちょー!もう意味わかんねぇーよ!
なんで殴られてるわけ?
あと味ホントわりぃーんだがっ!

75 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 03:05:36
以上 乃南アサ 「火のみち」でした

最後まで救われない次郎になんとも後味悪・・・
長文失礼しました。


77 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 04:09:56
>>75
君子の方が報われないんじゃない?

殺人犯の兄がいるせいで過去を隠しながら生きなくてはならなくなり、
せっかく女優になれて結婚したのに、訳判らん夢に出資させられて破産する羽目に。
挙句の果てに認知症の兄を旅行に連れてったは良いが旅先で死なれる。

次郎は死んで正解。


78 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 04:12:18
次郎も君子も死んで正解といえば正解・・・
次郎は君子のために人生に無駄にしたし、君子は次郎のせいで好きに生きれなかった

君子は著中では結構わがままに生きてる感があって、それを表現できなくてスマソ


79 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 04:18:51
>>78
つまりはDQN兄妹って事?

じゃあ、自業自得って気がする…。


81 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 10:12:21
>>72
どうでもいいけど
メノウなのかヒスイなのか。

89 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 13:21:04
>>78
そもそも
>次郎は近隣のヤクザから「君子を売春婦にさせろ」といわれ、そのヤクザを撲殺してしまう。

なのに、君子は自ら
>大部屋ではなかなかデビューのきっかけもつかめず、いつのまにかプロデューサーに
>抱かれて仕事をもらうようになる。

次郎の殺人と服役、まったく意味なし


90 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 13:37:17
>>89
いやいや
次郎は12歳で人殺して、そん時君子10歳だよ
いくらなんでも10歳の売春はさぁ

92 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 14:12:18
いくら終戦直後でも12で刑務所はねーよ。
タイーホされたとき次郎は20歳だったはず。
まとめた人が何を勘違いしたのか知らないが。

93 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/04(火) 14:53:02
君子を「くんし」と読んでしまい
壮絶な歴史物かと思ったorz

 

火のみち(上) (講談社文庫)
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火のみち(下) (講談社文庫)
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