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528 名前:1/2 投稿日:2006/07/30(日) 03:18:26
泡坂妻夫の短編「わんわん烏」

瀬戸物屋の跡継ぎ戸台はお見合いで出会ったいいとこのお嬢さん加代に一目ぼれする。
熱烈なアプローチの結果、二人はめでたく結婚し、高層マンションに新居をかまえる。
高層マンションの上のほうの階といえども、都会の雑踏は意外とひびき、
また烏の鳴き声が毎朝聞こえる。

そのうち烏の鳴き声にも個性があることに気づく二人。
なかでも犬のように「わんわん」と鳴く烏がいて加代は不思議に思って戸台に聞く。
「生まれてすぐに犬の鳴き声を聞いて刷り込みされてしまって、あの烏はわんわんとしか鳴けないのだよ」
と教える戸台。

そんな二人ではあったが、加代は箱入り娘だったせいか家業を全く手伝わない。
戸台本人はそれを承知の上で、惚れた弱みで結婚したのだが、
戸台の両親や、近所の人々からは嫌味を言われ続ける。
戸台本人は、加代本人の意識が変わって自ら手伝ってくれるのを期待しているのだが。
また加代は夜の夫婦生活においても、びっくりするほど無知であった。
戸台が一生懸命悦ばせようとしても、反応が希薄なのだ。
それでも戸台は箱入り娘だったから仕方ない、これから自分がいろいろと教えていこう、
そう、まるであのわんわん鳴く烏のように、と前向きに考えていた。


529 名前:2/2 投稿日:2006/07/30(日) 03:18:59
そんなある日、「ごめんなさい、わたしはわんわん烏でした」と書置きを残して加代が失踪する。
箱入り娘ゆえに仕事ができないことを悔いてそう書き残したのかと思い、加代を探す戸台。
しかし、加代の両親が戸台のところへ来て真相を告白する。
曰く、加代には結婚前から好きな男がいた、
戸台の熱意に押されてつい結婚してしまったけどやっぱり諦めきれない。
結婚しておいて今更そんな不義理が許されると思っているのか、無理を押し通すなら親子の縁を切る、
私達がそう言ったにも係わらず、それでも構わないといって加代は飛び出して逃げ出したこと…
つまり好きな男のことを今でも忘れられないことを例えて加代は自分をわんわん烏と言ったのだ。

戸台は今までの夫婦生活は嘘であり、夜のあの薄い反応も好きな男が相手でないからというのがわかり、
ショックのあまり自宅から飛び降りる。
そして烏に転生した戸台は数年かかって、男と幸せそうに暮らす加代を見つける。
その姿を見て安心する烏の戸台。加代は戸台が飛び降りたことを知らない。
ただ、最近自宅に「かよ、かよ」と鳴く珍しい烏がよく来ているな、と思っているだけだ。


542 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/30(日) 04:39:34
>>528
糞淫乱女がどこまでも苦しんで死ぬべきなのに。後味悪いね

 

泡坂妻夫の怖い話 (新潮文庫)
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