ホーム » 小説 » 小説/ら行 » レプリカント色ざんげ(森奈津子)

306 名前:1/3 投稿日:2006/08/27(日) 01:01:22
「からくりアンモラル」というSF短編集より「レプリカント色ざんげ」

とある娼館ともいえないような小屋の中で、客の相手を終えたばかりの
セクサロイドの「あたし」は、学生風の男に自分の身の上を語り始める。

今ではとても見えないだろうが、かつて「あたし」は男性型ロボットとして造られた。
ほっそりとした黒人男性型で、ただし髪は金髪で目は碧色だった。
当時の皇子であるマヤヒトから誕生日の贈り物として、
「あたし」ははじめての主人・レディKと呼ばれる占い師にであった。
もちろん「あたし」の役目は主人であるKを肉体的に慰める事。
Kは「あたし」にアンジーと名づけ、はじめての行為の最中に何度もその名を呼んだ。
セクサロイドとはいえ、アンジーは性的な知識も技術もなくまっさらの状態で、
その手の才能はプログラムされているものの、主人に可愛がられ続けるうちに才能を開花するという形になっている。
普通の人間の男性以上に戸惑いながらもアンジーは行為を終えた。
それから何度もKとの行為を続け、テクニックも最高に――つまりそれ以上高上しなくなった頃、
Kはアンジーに冷たい態度を取るようになった。それこそ飽きた玩具のような扱いだった。

Kは皇帝に招かれ、後宮で女たちを占った。アンジーも女装させられ連れて行かれた。
そしていざ後宮の中に入ると、アンジーは服を脱がされ男の体を晒され、大勢の女たちに次々に犯された。
アンジーはひどい恐怖を感じていたが、調教型セクサロイドの悲しい常で、
肉体的に快楽を与えられればどんな情況でも反応せざるを得なかった。
しかもどんな嗜好の者にも対応できるようにと、鞭で打たれてもなおアンジーは
快楽を得るように設計されていた。人間と同じように傷つき血を流すアンジー
傷ついた様にエクスタシーを感じる者もいるので、その傷も苦痛もまぎれもなく本物。
それだけ精巧に造られているので、アンジーは折檻にも似た大勢との行為で歩く事すらできなくなった。
だがKはそんなアンジーに「それなら置いてってあげましょうか?」と冷ややかに返すだけだった。
泣いて足元にすがってもKの反応は変わらなかった。結局、アンジーは親切な女の手配した車で帰宅した。


307 名前:2/3 投稿日:2006/08/27(日) 01:03:23
鞭打たれてもなお興奮するアンジーの無節操さを知ったKは、アンジーを友人たちに貸すようになった。
様々なフェティッシュなプレイをさせられ、精神をずたずたにされながらも、それでもアンジーの肉体は悦んだ。
アンジーが望むのは主人のKから慈しまれ、愛されるセックスだけだった。
しかし「愛する者に他者とのセックスを強要される」という状況にすらアンジーの体は興奮するのだった。

Kはマヤヒトと恋仲にあった。だがマヤヒトには他にも大勢の愛人がいる。
その鬱憤を晴らすかのようにKはアンジーの体をナイフで切り刻む。
苦痛と快楽を感じながら死に行くアンジーに「お前は人間じゃないしその死も偽物だ」とKは言う。
そして切り刻まれながらアンジーは死に、しかしやはりその死は偽者でやがて目覚めた。
体には切り刻まれた痕など全くなく、それどころか全く別人へと変貌していた。
白い肌に銀色の髪、水色の瞳の17歳ほどの美少女型になっていたのだ。
そこにマヤヒトが現れて言う。「今日から私がお前の主人だ。お前を照日と名づけよう」
照日はKの計画を悟った。停止したアンジーを女型に改造し、
そのテクを持ってマヤヒトを虜にさせ愛人たちをお払い箱にし、最後にKがいいとこ取りをするのだ。
照日はKへの愛ゆえにマヤヒトに積極的に奉仕を行ない、愛人を追っ払う事に成功した。
だがそれは上手く行き過ぎた。マヤヒトは照日を本気で愛してしまった。Kよりも。
あるパーティで久しぶりに会ったKの表情で気付くべきだったが、照日はある動揺により気付けなかった。
その動揺は、Kの隣にいた男性を見ての衝撃だった。男性はかつての自分、アンジーだった。
アンジーの体を改造したのではなく、アンジーの人工脳をコピーして、少女ロボットにセットしたのだった。
照日の思考は単なるコピー。照日は偽物で、Kの隣にいるアンジーこそが本物なのだ。
照日はKを憎み、なによりもKの傍にずっといられるアンジーを憎んだ。


308 名前:3/3 投稿日:2006/08/27(日) 01:04:38
マヤヒトを虜にする一方で、照日は己自身ともいえるアンジーをも虜にする。
全ては欲望を満たし、同時に復讐を果たすため。照日はアンジーにKを緊縛させる。
緊縛されたKを照日は犯し、同性愛の気のないKも照日のテクの前に落ちた。
もうそうなれば照日のもの。アンジーを完全スルーでKを貪り続ける毎日。
だがある日、Kが殺されていた。ナイフで幾度も刺されて。アンジーの仕業だった。
自分自身だから全てを把握していると思い込んでいたが、もう既にアンジーは照日とは別の人格に分岐していた。
アンジーは照日に愛され続けるKに嫉妬し、怒り狂いKを殺害したのだった。
やがて事が明るみになり、アンジーと照日は殺人犯として逮捕された。
セクサロイドに与えられる刑罰は、場末の娼館で公衆便所のように大勢の男女に犯され続けるというもの。
肉体は快楽の中にあっても精神はボロボロで照日は何度も死のうと思い、そして何度も死んだ。
だがその度に蘇生させられ、体を修復不能なまでにぼろぼろにした時は別の体に蘇らせられた。
そして今、照日の人工脳は雌山羊型のロボットの体の中に閉じ込められていた。
「あたしはあと何十年、何百年と生きるんでしょうね。もしかしたら何万年も。
 朝になったらどうかあたしの話はお忘れください。あたしも百年もすればあなた様の事を忘れますから」

309 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/27(日) 01:33:22
後味悪いつーか、胸くそ悪い

310 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/27(日) 01:42:09
腐ってる方々用だな

311 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/27(日) 01:59:00
その短編集だと、未来誰かと思ったら黄金の指の持ち主の森奈津子嬢の作品か
宇宙人に無理矢理公開百合プレイを強要される話が後味悪かったなあ

313 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/27(日) 02:41:33
>>306
面白かった。腐ってるらしい。

314 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/27(日) 03:47:14
うん、既に腐ってる女子には面白かった

 

からくりアンモラル (ハヤカワ文庫JA)
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