黒い墜落機(森村誠一)
-
569 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/30(水) 17:02:26
- 森村誠一と言えば、タイトルも詳細も忘れた小説がある。
山の中に米軍機が不時着して、それを数名の男女が目撃してしまう。
重要な軍事機密が関係してるか何かで、彼らは追われるようになる。中年サラリーマンやOLや主婦など目撃者は一般人ばかり。
小説よろしくみんなで力を合わせて切り抜けよう!的な青年も一人いるが、
巻き込まれたから嫌々逃げているだけの協力する気はないメンツばかり。
それぞれワケありの身の上だったため、追いつめられた環境の中で
背負った罪に耐えきれなくなって自滅していく。離婚を考えている女と青年は恋仲になり、なんとしても生き延びようと誓う。
青年は生きて帰って米軍の所行を暴露してやろうと張り切る。
ところが子供を捨てきれないと思い直した女は、衝動的に子供の元へ戻ろうとして殺される。
女が死んだことでギリギリに張りつめていた青年の糸も切れ、無気力になってしまう。
事件について無言でいることを誓わされた青年は、保護されて街へ戻る。
事件を聞きつけたマスコミが青年に取材を申し込むも、鬱になった青年は拒否する。誰一人幸せにならず、何人かは無意味に殺されて、米軍と日本政府だけ満足。
何の救いもない小説だった。