隣の家の少女(ジャック ケッチャム)

617 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/31(木) 10:12:24
後味悪い小説といったら「隣の家の少女」コレ最強。

628 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/31(木) 13:31:51
「隣の家の少女」

12歳の夏休み、主人公はザリガニ釣りの最中に、可愛い少女と出会う。
彼女と妹は両親を交通事故で失い、主人公の悪友三兄弟の住む隣の家に引き取られたのだ。
初めのうちは、新参者の少女を巡る甘酸っぱい少年時代の思い出風に進んでいくが、
女で一つで悪ガキ三人を育てていた隣家の母親は、次第に姉妹を疎んじ始める。
姉妹は他に頼る相手もなく、嫌がらせを我慢していたが、母親の嫌がらせは虐待の域にまで
エスカレート、悪ガキ三兄弟もそれに感化されるように姉妹を虐めるようになる。
そしてそれは、周りの子供たちにまで広がっていくが、子供である主人公に少女を助けることはできず、
せいぜい慰めの言葉をかけるだけだ。

抵抗はせず、しかし決して媚び諂うこともなく、妹を守ろうと強い態度を崩さない少女に、
虐待はどんどん熾烈さを増していき、ある夜、隣家に呼ばれた主人公たちの前で、
一家による凄惨なリンチが開始された。
事ここに至って、ようやく彼らがケダモノ以下の存在だと気付いた主人公は、
助けを求めようと逃げ出すが捕まってしまい、死にゆく少女と共に閉じ込められてしまう。
いつまでも帰ってこない主人公を探しに、主人公の父や警察がやって来たとき、
すでに少女は死んだ後であった。
警察に付き添われ、隣家の一家と共に地下室を出ようとした時、主人公は隣家の母親の指に
少女の指輪を見つけ、発作的に彼女を階段から突き落とし殺してしまう。


629 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/31(木) 13:35:36
続き

母親殺しは不幸な事故として片付けられ、少女の死は、母親以外は全員が未成年であったために、
誰にも重い処罰が課せられることもなく、この事件は幕を閉じた。

そして20年ほど後。両親が亡くなり、実家を売却するために整理していた主人公は、
とある新聞記事の切抜きを見つけた。
それは隣家の三兄弟の一人が、レイプ殺人を犯したという事件だった。
そこに書かれていた被害者の様子は、まさにあの少女への虐待と同様のものであった。
その記事の下には主人公の母の「他の二人はどうしてる?」というコメントが残されていた。

もし自分がもっと早く行動していれば、あの少女は死なずにすんだだろう。
そうすればこの女性もきっと死なずにすんだのかもしれない。いったい自分は何をしていたのか…。
主人公は「他の二人はどうしてる?」に、自分の名前も書き加えるのだった。

ちなみにこれは「バニシェフスキー一家」事件が基となった小説。

 

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