四丁目の夕日(山野一)

187 名前:1/3 投稿日:2006/09/21(木) 22:26:48
うろ覚えな点が多いんだけど後味悪さだけはいまだに忘れられない漫画の話。
タイトルも覚えてないけど、作者は「三丁目の夕日」の人だったと思う。

貧しい印刷工場の息子である主人公は、まじめな性格で優秀な成績を修め
一流大学への進学に向け日々前向きに努力を続けていた。
決して豊かな暮らしではないものの温かな家族と美しい恋人、
御曹司ながら嫌味のない良き友人など人間環境にも恵まれており、
明るい未来に向かって希望に満ちた日々を送っていた。
しかしそんな幸福な日々は突然に暗転してしまう。

ある日主人公は、恋人とのデート中にヤンキーに絡まれ殴る蹴るの暴行を受けた。
途中で現れた友人(御曹司)に助けられ、命からがら家へと戻る主人公。
しかし帰り着いた自宅では、工場で起きた事故によって大怪我を負った母が病院に運ばれるところだった。
事故のために顔面がグチャグチャになってしまった母の治療費のため、睡眠時間を削って日夜働き続ける父。
だがそんな父も、過労でふらついた際に運悪く工場内の機械に巻き込まれてしまい、
発見された時にはミンチ状の死体になってしまっていた。父の葬式には借金取りが押しかけ、
進学を断念せざるを得なくなった主人公は父の工場を継ぐが程なくして倒産。母も息を引き取る。
潰れた工場も生まれ育った家も差し押さえられ、主人公は幼い弟妹を連れ安アパートへと引っ越すことに。
しかしそのアパートにはちょっと精神的に危ない、俗にいうキ○ガイが住んでいた。不安を募らせる3人。


188 名前:2/3 投稿日:2006/09/21(木) 22:27:30
それからとある工場で働き始めた主人公だが、彼はその工場の先輩に酷いいじめを受ける。
実はその先輩は、以前主人公の父の工場で雇われていたがあまりの素行の悪さに解雇されていた男。
逆恨みによって主人公をいじめていたのだ。徐々に追い詰められ、いつしか精神を病んでいく主人公。
そんな彼は、ある日街で元恋人と再会する。彼女はヤンキーに絡まれたあの事件がきっかけで主人公と別れ、
今は御曹司の友人と付き合っていた。元恋人と御曹司にコーヒーを奢られる主人公。
主人公は鼻水をたらしながら御曹司のピカピカの高級車にぺたぺたと触りまくりながら
「いいなあ、百万円するんだろこういう車」
「おれもいつかこういうの買おうと思って毎日100円ずつ貯金してるんだ」などと話している。
途中、主人公が彼自身のミスにより仕事先の相手からひどい罵声を浴びせられる場面を元恋人と御曹司は
目にするのだが、その際も主人公はへらへらと笑うだけ。明らかに以前とは違う異常さが垣間見えていた。

そんな辛い毎日だが、精神を病みながらも必死に働いたことで生活は少しだが楽になっていった。
弟の誕生日をケーキやカレーライスで祝ってやることもできるようになった。
主人公と弟妹は、アパートの一室でささやかながらも幸せな誕生日パーティを開く。
と、そこに突然、同じ入居者のキ○ガイが主人公たちの部屋を襲撃。
主人公を鎌で切りつけ、彼が気を失っている間に弟妹を惨殺してしまう。
しばらくして目を覚ました主人公が目にしたのは、
無残に殺された弟妹の死体と弟のために作ったカレーを貪り食うキ○ガイの姿だった。


189 名前:3/3 投稿日:2006/09/21(木) 22:28:17
主人公はその後、強すぎるショックから完全に発狂し、鎌を使ってキ○ガイを殺害。
そのまま部屋を飛び出し、錯乱状態のまま通行人ら十数名を更に殺害し精神病院へ収容された。
もはや完全に精神が崩壊してしまっているため事件の経緯などを証言することもできず、
その結果キ○ガイや通行人だけでなく弟妹を殺したのも主人公だということになってしまう。

月日は流れ、主人公の元恋人は今は別の男性と結婚し平凡ながら幸せな主婦として暮らしている。
御曹司の方も、何不自由なく満たされた人生を歩んでいる。

主人公は中年になり、ようやく退院を許される。
長く収容されていた精神病院の医師や看護婦たちに祝われ、病院を後にする主人公。
新たな生活の第一歩は、清掃員として働き始めること。

そんな彼の背に、作者からの祝福のメッセージがかけられる。
「これからが君の輝く人生だよ」

終わり


191 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/21(木) 22:38:08
悲惨極まりないな

192 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/21(木) 22:54:53
無粋なツッコミだが、山野一「四丁目の夕日」は西岸良平「三丁目の夕日」と
関係はないぞ(作者も別人)。

195 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/21(木) 23:28:32
三丁目の夕日のほのぼの絵柄でストーリーを思い浮かべていたせいで
怖さ倍増だった。

なんだよ別人かよ!W

 

四丁目の夕日 (扶桑社文庫)
四丁目の夕日 (扶桑社文庫)