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930 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/15(日) 00:09:43
池波正太郎がよく書く、仇討ちものの短編が後味悪い。

まずはどこぞの藩で侍同士が、将棋の勝ち負けとか、仕事の些細なミスとか
しょうもない原因で口論になって、刀抜いて斬り殺してしまい、斬った方が出奔する。
当然、殺された方の息子なり弟なりが仇討ちに出る。これが主人公。

最初のうちは親類も応援してくれて、仇討ちに出る主人公も若くてやる気に溢れているんだが、
5年6年たつうちにその気力も萎えて、「まだ仇討てないのか」と最初は応援してくれた親類も
厄介者扱いしだし、仕送りの額も減る。

で、肝心の仇相手はたいてい主人公の知らぬ間に死んでる。
村娘を強姦しようとして無関係のおっさんに成敗されたりとかで。
死体はたいてい見つからないよう埋められてる。

主人公はそんなことを知らず仇を探す旅を続けて、10年20年が過ぎ、国許の老いた母が死に、
親類も代がかわって主人公のこと自体忘れられ、仕送りも途絶える。
身なりもボロボロになり40、50歳になった主人公が
「今さら仇討っても何になるのか、俺の人生なんだったんだろうなあ」
って思いつつも、また仇を探す旅に出るところでたいていお終い。

主人公に何の落ち度もないのが辛い。

 

仇討ち (角川文庫)
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