殺人よ、こんにちは(赤川次郎)

131 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 08:39:09
赤川次郎の「殺人よ、こんにちは」

主人公は大金持ちの13歳一人娘のA。
子供と大人の中間のような存在で乾いた思考と美貌の持ち主。
父親は海外出張ばかりでほとんど家におらず、少々男にだらしのない母親と二人で気ままに暮らしていた。
ある日、父親が久しぶりに帰宅した後に急死する。死因はもともとあった持病の悪化とのことだった。
その時は別段父の死に疑問を持たなかった(悲しみもしなかった)が、
鏡越しに母が忍び笑いしているのを見てしまい、父は母に殺されたのだと確信する。
父の死後、母はすぐにマッチョな愛人を連れ込む。

その年の夏、Aは母とマッチョとお手伝いさんと親友Bの五人で毎年行っている海辺の別荘へ慰安旅行に行く。
Aは端からマッチョのことを金目当ての男と見抜いており
信用していなかったが、Bがなんだかマッチョに惹かれている様子。
一時的な知恵熱でしょ、とばかりにBをからかうばかりであまり気にも留めなかったA。
そこへ叔父が訪ねてくる。叔父は生前から何度も父から金を借りており
、今回も金を借りに来たが母ににべもなく断られる。
叔父はまったく金を貸してくれる様子のない母と間男的存在なマッチョを苦々しく思っている様子。
この叔父も色々とやらかすんだけど長くなるので以後割愛する。
そうこうして日々を過ごしているうちにAは行く先々で赤い服を着た大人の女性を何度か見かける。


132 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 08:39:42
ある日、AはBとマッチョの三人で海辺から離れた小さな無人島に行く。
そこでBとマッチョはAをほったらかしにしてラブロマンスを始めるのだが、そこへ女の全裸死体が流れてくる。
警察と色々すったもんだを繰り返した挙句、死体の女はなんとマッチョの妻だということがわかる。
当然マッチョが疑われるが、そのアリバイは他ならぬマッチョと一緒に過ごしていたAとBが証明していた。
以後、トリックを解明するために色々とあるのだがそこは割愛。
またこの辺りでBの知恵熱が治まり、マッチョのことも単なる憧れみたいなものだったと気づき大して興味がなくなる。

また別の日、Aが一人で泳いでいると何者かに足を引っ張られて溺れる。
死にそうになっていた所を高校生の男に助けられる。
その高校生は偶然にも以前無人島の岩のくぼみの中で溺れかけていた所をAが助けた中学生だった。
「これで貸し借りはなしだからな」という高校生。
Aはその後、たわむれにこの高校生とキスしたりするのだがあまり重要な人物ではないので割愛。

またまた別の日、警察の捜査に協力してからAが別荘に帰ると部屋にBがいない。
どうしたんだろとか思って何気なく窓を見るとなんと全裸のBが海に投身自殺しようとしている。
慌ててBを止めるA。事情を聞くとマッチョにレイプされたという。
傷心のBを「野良犬にでも噛まれたと思って忘れなよ」と慰めながら自宅に帰すA。
Bを見送りながら「あたしが忘れないでいてあげるからね…」と呟くA。


134 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 08:40:21
色々やっているうちにマッチョはAの母も殺そうとしていることが判明。
警察の捜査も大詰めとなり、トリックも解明されていよいよマッチョも逮捕されそうになる。
しかし警察がマッチョの所へ行く前に先回りしてマッチョに会いに行くA。
警察が自分を捕まえに来ているとは知らず、
またBをレイプしたこともバレていないと思っているマッチョはのんきに泳いでいた。
言葉巧みにマッチョを誘惑するA、ロリコンなマッチョはホイホイAについていき二人して件の無人島へ行く。
そこで岩のくぼみにイヤリングを落としてしまったと言うA、
とってきてあげるよとくぼみの中へ泳いでいくマッチョ。
しかしそのくぼみは入るときはすんなり入れたのだが、何故か出られない。こいつはどうしたことかと慌てるマッチョ。
「出られないでしょ」とタバコに火をつけながらマッチョに言うA。
Aが言うにはそこは以前中学生だった現高校生が溺れたくぼみ。潮の流れが逆流していて出るに出られないらしい。
「体の小さな中学生でも苦労したんだからマッチョじゃ無理でしょうね」と。
「なんだと!どういうことだ!」と憤るマッチョに対し
「アンタがBにしたこと、あたしが知らないとでも思ったの」と突き放すA。
「最後のタバコよ、吸ってちょうだい」と岩の隙間からマッチョに向かってタバコを投げてそのまま帰るA。
潮が満ちていき溺れ死ぬマッチョ。

そしてAは母と二人でまたなんでもない日常へと戻るのであった、って話。
マッチョがくたばってスカッとする反面、なんか後味が悪い。
母親は父親殺して(割愛したけど後に娘に告白。殺害方法は持病の薬を見た目のよく似た
風邪薬かなんかと取り替えただけ。娘はそれを聞いてスルー)
なんのお咎めもなしだし。Aも人殺してなんとも思ってないし。なんか、これでいいのか?って思ってしまう。


135 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 08:51:51
と思ったら「殺人よ、さようなら」って続編があるらしい。
それだと主人公は過去に犯した殺人について悩んでいるんだと。
上の話は忘れてくだちい。

142 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 13:02:22
>131の、松本洋子って少女マンガで子供のときに読んだよ。「なかよし」に載ってたたしか。
レイープシーンと岩場の穴から首だけ出して「出られない!」の2場面が印象に残ってる。

155 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 15:19:22
>142
自分も、松本洋子のマンガでそれ読みました。
もしかして、人生で一番最初に、何かを読んで(or観て)「後味悪い…」と感じた作品
かもしれない。
マンガでは最後に、主人公が母親に、
「○○さん(131さんいうところの『マッチョ』)どこにいるか知らない?」と聞かれて、
「さあ…知らないわ」としれっとして言うのが、すごーく衝撃的だった。
(ちなみについさっき殺してきたところ)
続編なんかあったのか。

161 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 16:39:12
映画にもなってるってさ。
割とメジャーな作品だったらしい。

168 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 17:32:06
…赤川って中二病小説書く人だったのか

169 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 17:42:31
そういや「きょう、パパが死んだ」で始まるんだっけ>殺人よこんにちは
なんで異邦人なんだよわけわかんねーよ後味悪い

 

殺人よ、こんにちは―赤川次郎ベストセレクション〈7〉 (角川文庫)
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