なるたる(鬼頭莫宏)

767 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/29(金) 21:05:41
「なるたる」

主人公のシイナは自分の名前にコンプレックスがある。
漢字で書くと秕で、実らない種子・からっぽのものという意味がある。
そう名づけた母は現在別居中で、シイナは父と暮らしている。
物心つく前に母がシイナの首を締めたのが原因らしい。
こんな名前をつけ、首を締めた母をシイナは嫌い、
それが自分の女性性への否定にも繋がり、深層では殻に篭っているようなところあがった。
ある時、誰かが「秕」とシイナの心にダイレクトに語り掛けてきた。
「その名前で呼ばないで」とシイナは拒絶した。
(夢みたいなものだったのでシイナはこの時のことを覚えていない)

シイナは夏休み中に謎の物体と遭遇する。形が星のようなのでホシ丸と名づけた。
意思疎通はできないが、シイナが危機に陥った時などに自らの体を武器へ変形させ戦ってくれる。
ホシ丸は竜骸という種族で、竜骸を所持している人々が次々に登場する
(所持者は人間に限らず、イルカとかも出てくる)

竜骸は竜の幼生体。竜骸は様々な物体をコピーし、変形する事ができるが、魂の再現だけはできない。
なので魂の構造を求めているらしく、所持者が死んだ際に所持者の魂を食らう。
魂を食らう事で竜骸は成竜へと成長し、そして食らわれた魂は乙姫と呼ばれる不変の存在になる。
また、「リンク」する事で所持者にとって竜骸は自分の手足のようなものになる。
シイナ以外の所持者は竜骸を通して、遠くの物事を見聞きしたり、感じたりする事ができる。
何故自分はホシ丸とリンクする事ができないのだろうかとシイナは疑問に思う。
また、本来は現世のものに関わろうとしない乙姫が
シイナに身の危険があった時には現れて救出してくれたりする。
シイナの仲間となった、同じく竜骸所持者の鶴丸(しかしその竜骸は出てこない)
という少年が言うには、シイナが特別だからという。

シイナと敵対するようになった、竜骸を使って暴れまくる集団の行動や、
アメリカで軍隊に捕らえられていた竜骸を持つ外国人少年の事件やらで、
竜骸と所持者の存在が世間で露わになってきた。
そんな時、鶴丸の友人(竜骸所持者)がDQNに惨殺される。


768 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/29(金) 21:07:44
友人の竜骸は外装とかもかなり戦闘向きにセッティングしてある強いやつだが、
鶴丸を守るために竜骸を鶴丸に付き添わせていたために、竜骸を使えず弄り殺された。
竜骸の様子から友人の危険を悟った鶴丸はすぐに友人のもとに向かおうとするが、
他に気にかかる事のあるシイナはすぐには肯かず、違うところへ向かおうとする。
その途端にホシ丸が変形、シイナを捕らえ、鶴丸を乗せて友人のところへ向かおうとした。
シイナはホシ丸とリンクできない事に悩んでいたが、実はホシ丸は鶴丸の竜骸だったのだ。
「だったら私はなんなんだ」とシイナはまた悩む。

竜骸によって身内を失ったある女性は、
密かに竜骸について調べ続け、そしてその事を世間に公表した。
民衆は暴徒と化し、魔女狩り状態でシイナの友人である所持者たちも次々に殺される。
戦争もはじまり、シイナの父も殺され、核とかも落としまくりで鶴丸が被爆する。
被爆で髪も抜け落ち、ぼろぼろで半分死に掛けの鶴丸とシイナは泣きながらセックスする。
鶴丸が自分の初恋だったのだと思いながら。やがて鶴丸は死んだ。
色々あってシイナは自分の名の由来の本当の意味を知る。
シイナにはかつて実生という名の姉がいた。
彼女は早くに亡くなった。実った果物が落ちるように。
だから母は、いつまでも子供のまま自分の手元にいてくれるようにと、
けして実らないようにと「秕」と名づけたのだった。
首を締めたのは、また姉のように死んでしまうかもしれないなら
自分でやっちゃえと、ノイローゼ気味になっての行動だった。
(実は姉は竜骸保持者で、やがて生まれてくる自分の妹が特別な存在である事に気づき、
 サポート側にまわるために自ら命を絶ち、乙姫となって秕を守っていた)


769 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/29(金) 21:08:56
いつかの声がまたシイナに語りかける。その声の主こそがシイナの竜骸。
実はシイナの竜骸=地球そのものだった。シイナが名前の意味を知り、
閉ざしていた心を開いたからリンクが可能になったのだった。
所持者はシイナ一人ではなくもう一人女の子がいる。
シイナの大事な人々はもうほとんど殺された。女の子は訊ねる「もういいですよね」
シイナは肯き、そして地球という竜骸を使い、二人以外の全人類を抹殺した。

そして数ヶ月後。大きなお腹を抱えたシイナは地平線を眺めながら呆然とタバコを吸っていた。
その事を注意する少女もまた、妊娠していた。(シイナのは鶴丸の子で、少女のは行きずりのDQNの)
竜骸があれば生物以外のものはなんでもつくれる。新しい世界も。
それが気に入れなければまた潰せばいいだけだと少女は言う。
そして数年後、生まれてきた子供が戯れてる姿で終わり

竜骸は魂の再生はできないが、欠損した肉体の再生とかならできるので、
シイナがもっと早くに自分を受け入れていればリンクができて、
死にかけてる仲間を助けたりもできたし、そもそも地球を自分の手足として操れるわけだから
仲間が死の危険に陥ったりもしなかったんだよなと思うと


775 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/29(金) 23:52:23
なるたるっていじめと解体しかしらんかったが全体的なラストも後味悪いんだな。

777 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/30(土) 00:23:58
なるたるは前に美少年惨殺画像が貼られてたのがエグかった
でも上のまとめは巧いな今まで読んだなるたるのあらすじで一番わかりやすかった

782 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/30(土) 02:37:07
なるたる原作はそういう風になってたんだ。
アニメで見て気になってたけど絶版だし諦めてたが、また気になってきた。

アニメの方は主人公のいじめられてる友達がホシ丸に殺されて終わったから後味最悪だった。
いじめの一つに「百点を取るな」ってのがあったんだが、オープニングでいじめられっ子の背景に
「百点」って書き連ねられてるのに気付いたときはびっくりした。
あと、ホシ丸の背景はよく見ると鶴丸の横顔のシルエットだし、なにげにネタバレ満載だったんだなー

 

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