操縦する切り札にしよう

760 名前:もち1/3 投稿日:2007/02/08(木) 15:07:14
佐野ヒロシって人の小話

中年主婦が主人公。
彼女の実父は大企業の社長をしており、1人娘なので父親との仲も良く家も近い。
最近、同社役員である主人公の夫がその後を継ぎ新社長となり
父は会長として悠々自適の生活を送っている。

夫が新社長になって初の正月、
主人公宅で一緒に雑煮を食べていた父が餅を喉に詰まらせて事故死してしまう。
夫が父の口に指を入れて餅を出そうとし主人公の子供は電話で救急車を呼んでいる間、
主人公は呆然とただ「これであっさり死んだ方がいいのかも…」と思っていた。
年末に夫から、父がこっそりと健康診断を受け
末期ガンだと分かったことを教えられていたのだ。
家族にバレないように付き合いの無い病院で受けていたが
「身内の方だけに」と会社に連絡が来て夫だけに伝えられたという。
担当医は、まだたいした症状がでないがそのうち苦しみ出し死は避けられない、
抗がん剤で少しの時を引き延ばすよりは
ギリギリまで自宅で楽しく暮らしたほうがいい、と言っていた。
家族で親しくしている夫の知人の医師D君の意見も聞いたが、やはりそいつも同じことをいってたよ、と。


761 名前:もち2/3 投稿日:2007/02/08(木) 15:08:46
春になり父の死のショックも薄らいできた頃、偶然街で医師Dに会う。
一緒に昼食をとりながら正月の父の死の話からガンの話になるんだが、
その医師Dは「なんのことですか?」と。
お父さんがガンだったことは知らないと言う。
聞かれるまま正月の話をする主人公。
毎年、正月の餅は会社役員のYさんが郷里から送ってくれる。
主人公の夫がいなければ社長になってただろう人だ。
夫が餅を焼き、それぞれ用の器に入れ、みなで食べ始めたら父が急に苦しみ出した。
夫が口に指を入れて探ってたときに分かったのだが、
餅のなかに白い碁石が入っていてそれが原因になったそうだ。
結局父は助からず、夫は「送ってくれたYさんには、気にするだろうから、
碁石が入ってたのは知らせずにおこう」と警察にも誰にもそのことは言わないまま
父は餅を喉に詰まらせた事故死として処理された。

夕方、医師Dから電話がかかってくる。
「昼はすみません、確かにお父さんのガンの件は相談を受けていました。
 ただ「お父さんの件」と言われず一般論的に話をされたので話がすぐ結びつかなく
 「知らない」と言ってしまった」。
主人公はその口調から言い訳がましい感を受ける。


762 名前:もち2/3 投稿日:2007/02/08(木) 15:10:37
その夜、主人公は夫と話をする。
「夕方会社にYさんをお願いしますと電話したら、退職したと言われたわ」
「餅のことで責任を感じたんだろう
「留意しなかったの?」「したけど特に碁石の件で非常に責任を感じていたみたいだ」
「碁石のこと話したの?」「流れで…」
「正月、あなたが餅を焼いて最初に「お父さん用」と渡したわね」
「いつものことだろ 何が言いたいんだよ」

話を終わらせ1人で考える主人公。
あの事故のとき、呆然としながらも
「あんなに指を入れたらかえって餅を押し込まないか」と思ったこと。
でも末期ガンだと言われていたのでなんとなく止めに入らなかった。
そして例えば夫が仕事で大変なミスや不正をしていたら、
未だ代表権を持つ父に知られる前に父を殺しYさんも追い出そうとするのではないか。
ただ、証拠がない。言うだけ言ってみてもいいがそれは離婚覚悟で言わないといけない…

で最後さ、主人公は
「それよりもっと案を練って夫を操縦する切り札にしよう」。て決意して終わるの…
なんか殺された父カワイソス