パフューム ある人殺しの物語

543 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 00:54:09
久々に酷い映画を見た。『パフューム』

時は中世、主人公のジャンはパリの悪臭漂う魚市場で産み捨てられ、孤児院に入れられた。
その頃から彼には異常な嗅覚が備わっており常人とは一線を画していた。
彼は物事を全て匂いで判断する特殊な人間になる。

やがてジャンは皮なめし職人に10フランで叩き売られる。
(ちなみにジャンを叩き売った孤児院の主人は帰り道に通り魔に瞬殺される)
奴隷として過酷な日々を過ごしていたジャンはある日、市街地への納品に同行する。
そこで様々な匂いに出会う。人々の匂い、食料品、生ゴミ、香水…
皮なめし職人の目を盗んで姿を眩ましたジャンは街中で今まで嗅いだことのない甘い匂いを知る。
それは若い娘の匂いだった。
ストーカーのごとく若い娘をつけ回したジャンは最後には娘を殺してしまう。
死姦はしないけど、娘を裸にひん剥いて存分に匂いを堪能したジャンは自らの生きる目的を見つける。
それはこの匂いを永遠に保存することであった。

街外れの売れない香水屋の主人が香水の新作を作るために頭を悩ましていた所へジャンが皮を届けに来る。
そこでジャンは天才的な嗅覚を売り込んで香水屋に弟子入りする。
(ちなみにジャンを叩き売った皮なめし職人は酔って川に落ちてあぼん)
ジャンは香水作りでも天才ぶりを発揮し、香水屋は瞬く間に繁盛する。
ジャンは香水を作る代わりに香水屋に匂いを保存する方法を教えてもらう。
その方法は花を煮て蒸留するというものであった。
さっそくジャンはガラス、銅、鉄、猫を煮てその匂いを蒸留しようとするが上手くいかない。
香水屋はガラスや金属、人間や動物の体臭など蒸留はできないと憤る。
ジャンの最終目的は若い娘の匂いを…なのでショックのあまり寝込む。
そんなとき、ジャンは香水屋から香水を主産物としている街の存在を聞く。
そこなら匂いを保存する方法がわかるかもしれないと、
ジャンは売れる香水のレシピと引き換えに街に入る許可証を香水屋からもらう。
こうしてジャンは香水屋を後にした。
(ちなみにこの香水屋はその日の晩に建物が崩れ落ちてあぼん)


545 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 00:55:33
香水の街に辿り着いたジャン。
そこでジャンは街一番の美少女ローラに出会う。
ローラの匂いを保存するためやっきになってその方法を探すジャン。
手始めに少女を一人殺して冷浸法と呼ばれるものを試すも失敗。
次に娼婦を買い、その体に動物の脂を塗ってそれを蒸留するという方法を試そうとするも娼婦に拒否られる。
娼婦を殺して脂を塗りたくり蒸留したところ見事に成功。ジャンは女の体臭の香水を手に入れた(うえっ)
さっそくローラを殺して手に入れようとするも勘の鋭い父親のガードが厳しくて上手くいかない。
仕方がないのでジャンは他の美女たちを次々に殺して香水にする。
街は連続殺人鬼の存在に恐怖するとともにその目的に首をひねる。
殺された美女たちは娼婦を除いてみな処女のままだったので暴行が目的ではないらしい。では一体何を?
その後、ローラの父親の必死のガードの甲斐なくローラはジャンに殺されてしまう。
しかしジャンもそこで今までの犯罪が露見し捕まる(ここまでは普通の映画だった)

お前を絶対に許さない、死刑台で処刑されるまで見届けると怒る父親。
そしてジャンは死刑台に連れていかれる。
そこで取り出したるは今までの美女たちの香水を混ぜ合わせた究極の香水。
それを振りまいたところ、なんと死刑台の周りに群がっていた民衆が
その匂いに魅了され口々に「この男は無実だ」と言い出す。
そして愛の匂いに目覚めた人々はいきなり乱交を始める。乞食も町民も貴族もローマ法王もみんなセクース。
ローラの父親も「私は騙されないぞ!」とジャンに剣を突きつけるも、
究極の匂いに負け跪きジャンに「許してくれ息子よ!」とか言い出す。
こうしてジャンは無実となりその日のうちに香水の街を後にする。
(ちなみに別の人間が罪をきせられ絞首刑)


546 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 00:56:20
使い方によっては世界を支配できる究極の匂いを手に入れたジャン。
しかしそんな匂いではたった一つだけできないことがあった。
それはジャンを普通の人間として愛し愛されるようにすることであった。
ジャンが凶行に走ったのも最初の娘に拒否られた殺してしまったのがその発端だったのだ。
全てに虚しくなったジャンは自分が生まれたパリの魚市場に戻ってくる。
そこで究極の香水を頭からかぶった。
途端に匂いに狂った乞食どもに貪り食われてジャンはこの世から消滅した。終わり。

サスペンスかと思ったら途中からコメディーになりファンタジーになって、
けっきょく殺人鬼の一人勝ちだし、ふざけんなって感じでした。


549 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 01:12:12
かなりアホ映画の臭いがムンムンだが、
後味っつーより全体的に気分の悪そうな映画だね。

550 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 01:23:45
>>543読んで「パフューム」ぐぐったら、美術にあの「ベイビーオブマコン」のひとがいた。
あれ系(耽美映像で後味悪いストーリー)なのかな。見たくなってきた。

551 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 01:23:56
パフューム見に行った人たちは
さぞ後味の悪い思いをしてるんだろうなあ

556 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 03:08:13
パフュームの原作が全世界で1500万部売れてる後味の悪さ・・・

557 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 03:18:21
「香水」は1987年の世界幻想文学大賞受賞作だよ。
文章で表現される"匂い"の描写が面白いとの評を見た記憶がある。
(作品そのものは読んでいないが)

映像だとそういう物は表現出来ないからねぇ…。


558 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 03:44:14
パフューム私も見てきた。
18世紀を堪能できる。
主人公を手放した人間(産みの母・孤児院の主人・皮なめし屋・調香師)が
すぐ死ぬ運命にあるのは、一種のギャグかも知れないね。
ナレーションが意図的にコミカルだった。

あれはアスペの人の物語だと思う。
主人公はパリの街でタイプの少女を見つけるんだけど、普通だったら上手く話しかけるなりして、
きっかけを作って仲良くなって、その女の子と一生暮らせるように色々と「努力」するんだろうけど、
主人公のジャンはコミュニケーション力がないから、いきなり近づいてクンクン臭いをかいだりしてしまい、
驚いた少女に拒否られてパニック。(当たり前だ。ただの痴漢だし)
黙らせようと口を塞いで殺してしまう。
でも、ジャンには殺した感覚は全くない。
「仲良くしたかったのに、近づいたら騒がれたので殺した」と言う、
アライグマの帽子を被った精神薄弱の男の殺人事件を思い出した。

>>543氏の解説の通り、ジャンは調香師に才能を見せつけて、皮なめし屋から
買い取ってもらう下りは、決して彼がいわゆる知恵遅れの人間ではないことを示している。
その後、ジャンは次々女の子を手にかけるんだけど、気に入ったわけではなくて、
あくまで実験材料。娘を殺す事は「花を摘んだ」くらいにしか思ってない。

ジャンの中では、「気に入った娘のニオイを保存してずっとかいでいたい」が最終目標だと思い込んでるけど、
普通は「その娘と仲良く暮らす」こと。(自然に毎日ニオイを嗅がせてくれる)
彼は相当ズレている。

そのことに気が付いても、彼には全く「愛される要素」が備わっていなかった。
彼は、誰にも愛された事がないゆえに、「愛を獲得する手順や方法」を学べなかったのか?
悲劇はこの1点に尽きる。
最後は、それに絶望して、なのか、「この香水で愛してもらおう」としたのか。


561 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 03:49:07
補足

>>545
>(ちなみに別の人間が罪をきせられ絞首刑)
これはグラースの街の香水作りの主人。
ジャンが、働いてる間に殺した娘の髪や衣服を実験していた部屋に埋めていたから。
発見したのもこの主人なんだけど、それを証拠の品にされてしまった。
彼も例外ではなく、ジャンを手放した人間はみんな死んでいく。
これは「呪い」でもないだろうし、邪魔者だと思っていた彼が実は有能な人材だったと言いたいのか、
演出の意図はなんだろう。


562 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 03:58:12
実際にグラースで撮影はされているの?
あの町は自分が今まで訪れた町の中でも特にお気に入りだから、
その景色が収められているなら観にいってもいいなー

563 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 04:06:43
>>562
エンドロールで撮影地グラース、グラース香水博物館協賛、とか出てた。
風景はカキワリっぽくないし、「背景」はなかなか良かったよ。

気持ち悪くてパンフ買わなかったんだけど、「何か」心にキタのがあったみたいで
今、買わなかったの後悔してる。


572 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 15:37:52
パヒューム、映画は原作より随分人間的に作ってあるんだなw

原作だと主人公には愛情欲求とか全くないし、
世話になった相手だろうと純粋無垢な美少女だろうと人間には何も感じない、
匂いにしか価値を見出せないサイコパスだよ。

最後も愛されないから死んだんじゃなく、香水におかしくなる人達を見て
人間ってこんなもんかって馬鹿馬鹿しくなって死んだだけ。

主人公を手放して変な死に方する連中も全員嫌な奴だし、
ひたすらブラックな話だよ。エドワード・ゴーリーの絵本みたいな感覚。

 

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