ある日・・・(藤子・F・不二雄)

586 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 19:13:33
藤子・F・不二雄の短編集ほど後味の悪いものはない。
本当にドラえもんと同じ作者なのか疑ってしまうほどのブラック。
お前ら読んでみれ。

588 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 19:30:10
>586
内容紹介できないなら書き込むなクズ

589 名前:586 投稿日:2007/03/11(日) 20:51:25
>>588
ちょ・・・クズまで言うなよ。
でも君の言うことももっともだ。
わかった、紹介しよう。
紹介したい作品はたくさんあるんだが、
では『ある日・・・』というタイトルの短編をひとつ。

とあるアマチュアの8ミリ映画自主製作サークル『緑ヶ丘シネサークル』のメンバー4人が集まり、
それぞれ自作の8ミリ映画を持ち寄って映写会を始める。
初めの一人は、スターウォーズのちょっとしたパロディを発表。
二人目は、自宅の窓から見える景色を同じ位置で10年前から撮影を続け、
その発展を短い時間で紹介するドキュメンタリーチックな作品。
三人目はちょっと思い出せないんだが、まぁそれなりの作品。
三人ともそれぞれのテーマで独自のストーリーのもとに製作した作品でお互い傑作だと褒め称えあう。
だが、四人目のおっさん(A氏)がそいつらの作品を全部批判する。
「駄作だ。あんたたちの作品には訴えるものがない。」
「問題意識のかけらもない。」「映画を通して一体何を主張したいのか。」
三人は少し憤慨するが、
「まぁそこまで言うならとりあえずA氏の作品を見てみましょうよ。」
「果たしてA氏の作品にはどれだけ訴えるものがあるのか、
 問題意識とやらがあるのか、それを鑑賞してから判断しましょう。」


590 名前:586 投稿日:2007/03/11(日) 20:52:16
A氏は映写機にテープをセットする。
タイトルは『ある日・・・』
三人は「平凡なタイトルですね」と言いつつもとりあえず最後まで鑑賞する。

そこに映ったものは、何のことはない、ごく普通の町並みと、普通に生活する人々。
子供の通学風景と通勤中のサラリーマン。
犬を散歩する老人。
買い物をする主婦。
昼下がりの公園。
何も奇妙なものはない日常生活の風景。
ただ淡々とごくありふれた日常の出来事が描かれているだけ。

そして突然プツン・・・・と画面が白くなる。
そこでA氏の映画は終わる。


591 名前:586 投稿日:2007/03/11(日) 20:54:25
三人はキョトンとして「何ですかこれは?」「一体どこにストーリーがあるんですか?」
あまりにも脈絡のない映像の寄せ集めに、三人は腑に落ちない。
A氏は説明する。
「わかりませんか。ある日、突然、核戦争が起きたんですよ。そして世界が一瞬で滅んだ様子を描いたのです。」

三人は苦笑しながら「唐突すぎる」「伏線も何もない」「ナンセンスだ」
「鑑賞者が理解できるわけがない」「もう少し説得力がほしい」と批評する。
A氏は主張する。
「今や世界各国は一瞬にして地球一個を何度も吹っ飛ばせるような核兵器を持ち合わせている。」
「もし一個の核爆弾が爆発すれば連鎖反応で世界中の核が爆発することもある」
「世界の終わり、そう、ある日は唐突にやってくる、伏線なんてあるはずがない」
「それがいつでも発動可能な状態であるにも関わらず多くの人間は危機感を抱いていない」

A氏は力説するも三人は苦笑するだけ。
「ある日は突然唐突にやってくる。地球を燃やすにはほんの一瞬でいい。
 映画のような前置きや伏線など張るひまもない。説得力のある破壊などあるものか。
 ある日がいつくるか・・・10年後か、明日か、今日にも、と、言いかけた次の大きなコマで

プツン・・・

という文字だけ書かれ、そこで終わり。


593 名前:586 投稿日:2007/03/11(日) 20:56:02
まぁ、ストーリーそのものは単純だが、含む意味は深いというか・・・
いつ世界が終わっても不思議はない。
核兵器の管理者が突然発狂したり、
あるいはミスでボタンを押すことも、
インターネットでハッカーがミサイルのボタンにたどり着くことも否定できない。
世界の終わりには伏線や納得のいく説明など必要なく、
日常生活を営む人々の前に突然にやってくるのだ。

そういう誰も危機意識を持っていない現状を批判したような作品。
藤子・F・不二雄先生の作品はこうゆうブラックで批判精神を込めた作品がたくさんあるので、お前らぜひ読んでみれ。


605 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/11(日) 22:45:34
>>586
ある日怖えええええ

これを書き込んだ2秒後にも世界は終わるかも知れないんだな・・・・


617 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/12(月) 00:14:39
つうか8月6日に広島にいた人たちにとっては本当に
ある日突然プツン・・・・だったんじゃないかな?

まぁ一応「現在米国と戦争状態にあり、いつ空襲が来てもおかしくない」という前提(伏線)はあるっちゃあるけどさ。
いきなり新型爆弾とか聞いてねーよ!ヽ(`Д’)ノって感じだったと思うよ。


618 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/12(月) 00:32:13
9.11.でビルにいた人も
「この書類そっちに回してー」
「何番からお電話ですよー」
「会議の報告書の提出はまd プツン・・・って感じで映像が切れたんじゃないかな。

619 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/12(月) 00:45:18
>>618
9.11は映像見る限り一瞬で…という感じしないからなー

630 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/12(月) 05:39:03
ジョンイルがトチ狂ってある日突然スイッチを押すというのが現実味を帯びてきたから困る

 

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