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805 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/16(月) 00:37:26
多分小学校卒業の時に貰った道徳の冊子だったと思うんだけど。
電車内で席を譲るシチュエーションを、三人視点で見た話。

その一:サラリーマン
サラリーマンが扉の近くの吊革につかまって立っていると、杖をついた障害者が乗ってきた。
サラリーマンはすぐさま目の前の席に座っていた若者に「体の不自由な人が乗ってきたんだ。譲らないか!」
みたいな事を言って無理矢理席を立たせる。
若者が舌打ちしながら去っていくのを見て『最近の若者は……』とか思いながら障害者を座らせる。
サラリーマンは良い事をした、と晴れ晴れとした気持ちで次の駅で降りて行った。

その二:若者
若者は力仕事(多分)の帰りで疲れて、座席に座ってウトウトしていた。
そこにいきなり、目の前に居たサラリーマンが高圧的な物言いで席を立てと言ってきた。
何で俺だよ。若い奴が座っているなとか言われたって、若くたって疲れるのは疲れるんだよ!
とか思いつつも、実際障害者が居るのだから立たざるを得ない空気。
ムカつきながら他の車両に向うが、やはりもう何処も席は空いていない。疲れた。

その三:障害者
障害者は足が不自由なので、ドア横の手摺の所に寄りかかるように電車に乗り込んだ。
そこでサラリーマンが若者を立たせて席に座れと言ってきた。不機嫌な視線を突き刺し、去っていく若者。
サラリーマンが親切で座れと言っているのは分かるが、障害者は一度座ると足の機能で立ち上がるのが困難。
次の駅で降りるので断りたいが、喋るのも不自由で断り切れない。仕方なく座ることに。
結局降りる筈の次の駅では障害者は降りられなかった。
清々しい表情去っていくサラリーマンの後姿を、見送る事しか出来ない。

席を譲る行為の中では第三者なサラリーマンだけが良い事をした気分なのが何とも。
もう読んだのは十年以上前になるし、細部は違うかも知れん。
クリーム色の表紙で厚みが1センチ位で変型でこれ以外にも色々書いてあった記憶はあるんだけど
そもそもこんな冊子、小学校の卒業で本当に配ったんだろうか。なんか腑に落ちない。


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