ホーム » 小説 » 小説/ま行 » 蒔いた種(深谷忠記)

358 名前:1/2 投稿日:2007/07/25(水) 18:50:36
深谷忠紀『蒔いた種』

日本は完全に老人国となり、同時に、十年ほど前から酷い食糧難にあった。
北半球全域を襲った四年つづきの大異常気象によって、アメリカをはじめとする世界の国々が
自国民の食料を確保するために穀物の輸出を制限し、
同時に三百海里宣言を行って、日本を世界の海から締め出してしまったからだ。
そんな中、日本では七年前から食料は配給制となり、それと並行して、
東北のX県とZ県に老人だけの県―福祉県が建設された。
福祉県の上空には強力な磁器バリアが張っており、飛行機などは飛行できない。
マスコミの報道によって人々の不安が煽られ、混乱が起きないようにするため。と言うのが政府の説明である。
また、福祉県では満六十歳以上の老人全員に全国共通の試験を課し、その成績によって
待遇がA,B,Cと三段階にランク付けされる。主人公のQ氏は、Aクラスに入れるように、
老人用の予備校に通い、必死で勉強している。
自殺もせず、自棄にもならず、あらゆる困難と誘惑を乗り越えてきた。


359 名前:2/2 投稿日:2007/07/25(水) 18:51:17
試験も無事に済み、その一週間後―。
すでに三年後の試験準備に入っている妻と福祉県での再会を約束し、
合格発表を見に行ったQ氏は、なんとかAクラス入りを果たす。

クラス別の高速トレーラーバスに乗り、福祉県へ向かう。
バスの中では特級酒がふるまわれ、まわりの老人達と
喋り、歌い、踊り、笑った。
そして、高い塀に囲まれた福祉県の門をくぐる頃には、すっかりはしゃぎ疲れ、
ぐっすりと眠り込んでいた。まるで子供のように幸せな夢をみながら・・・・・・。

だから、トレーラーから切り離されたバスの前に、
もっとも頑健なA級労働者用の荒野が昇り始めた朝日を浴びて広がっていることなど、
知るよしも無かった。


360 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 19:42:48
>強力な磁気バリア

そんなもん張る金とエネルギーあるなら、金に物言わせて食料買ってこれるだろうに……。


361 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 20:01:51
>>358

ところでAクラスでもそんな待遇ということは、BクラスやCクラスだとどうなるんだろう・・・


362 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 20:04:43
試験の成績がいいのと、頑健っていうのがどうも結びつかないな。

363 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 20:04:47
老人を隔離するための県を開発(開墾?)して
政府は何に使うつもりなんだろ。

>>361
体力がないから、逆に楽な労働が割り当てられるんじゃないの。


364 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 20:24:16
なんで体力テストじゃなくてペーパーテストなの?

365 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 20:30:19
>>362
試験って言うのは主に体力・運動能力を中心に見るものなんだ。
ちなみに、主人公はハードルと水泳を受けた。

>>360
たしかにそうなんだよね。
冒頭にも通勤超快リニアモーターカーがでてくる。
多分技術が発達して低コストでそういうことが出来る時代設定なんだろうね。
ちなみに、今で言うシルバーシートは廃止されていて、
労働者用優先席『ゴールデンシート』がある。


366 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 20:35:27
ガチムチなおじいさまなのだろうなあ

367 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 21:00:08
>>358
40年ぐらい前のアイデアみたいな感じの話だね

368 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/25(水) 21:07:28
>>367
初出は1978年。約三十年ですね。

 

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