危険な誘拐(小松左京)

718 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう 投稿日:2007/07/29(日) 10:30:00
小松左京の「危険な誘拐」。
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小学生の息子の帰りが遅い事にやきもきしていた夫婦のもとに、
「息子を誘拐した」という電話が入る。
青ざめる夫婦。息子は一定時間置きに服用しなければならない薬があった。
「せめて薬だけでも」「危険なんだ」と懇願する夫婦に、
「ぴんぴんしてるじゃねえか」と犯人たちは取り合わない。
警察の立会いの下電話で犯人らとやりとりしていると、薬が切れる時間になり、
電話の向こうでものすごい悲鳴が聞こえた。
慌てて逆探知で分かった犯人の潜伏場所に向かう警察。
夫婦は「だから言ったのに」「このままでは私たちも危ないわ」と言いながら、
自分たち用の別の薬を飲む。

一陣の風とともに、息子が帰ってきた。
「なんだ、まだそのままでいたら食べてやろうと思ってたのに」
「そうはいくか、こっちだってお見通しだ」
などと会話をする親子のもとに、先ほどの警察官たちが戻ってくる。
「お子さんは見当たりませんでしたが、戻っていませんか」
「犯人と思しき連中が獣に食い荒らされたような様子で死んでいたのですが」
とドアをノックする警官たちの声を聞きながら、親子は
「僕は一番若いやつをもらうよ」
「脳みそは私が頂くわ。お前はさっき食べてきたでしょ」
「目玉は全部俺のものだぞ!一つたりともしゃぶらせるものか」
「ずるいよ!一個くらいいいじゃん!」
と舌なめずりしながら言葉を交わしていた。
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親子の正体ははっきりとは書かれていなかったけど、読んだ時子供心に怖かった。

 

男を探せ (ハルキ文庫)
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