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66 名前:1/2 投稿日:2007/08/02(木) 23:22:21
唯川 恵『きれい?』

主人公は自分で医院を経営する美容形成外科医。
未婚だがひょっとしたら結婚するのかも、と思える、半同棲状態の彼氏はいる。
ちょっとした施術でも高額になる美容形成を”ボロい商売”と思っている。
経営もそれなりに軌道に乗っているし、悠々自適の毎日だ。
そんな主人公の元に、ある日一人の女性が訪ねてくる。
それは学生時代、壮絶なイジメに遭っていた同級生だった。
主人公も当然の様にそのイジメに加担していたのだが・・・。

『彼女』はその容姿のせいでイジメに遭っていたが、年齢を経てもその醜さと卑屈さは変わっていなかった。
彼女は主人公に施術をせがむ。
金には糸目をつけないという言葉に乗せられ、主人公は施術を引き受ける。
だがそれは患者の身体を気遣うための様子見や安静を無視し、
彼女の望むままの手術を施すという異常なものだった。
それでも流石に数日を要する事になったが、彼女は深夜に訪れ、
主人公は助手も帰した後の言わば貸切状態で施術は続いた。
殆ど限界以上に細く、薄く削られた顎骨や頬骨、生命維持に影響しかねない急激な脂肪吸引など、
常識を逸脱した施術によって彼女は息を呑むほどの美人へと生まれ変わる。

そんな時、主人公はかつての同級生からかかった電話を取る。
それは”昔馴染み”を頼った保険の勧誘だった。
死亡しなくとも、病気などによる余命宣告を受けた時点で
保険金が受け取れるというのが売りだという画期的な保険の話。
勿論興味もない話だったが、その会話の中で『彼女』が末期癌で余命幾許とない存在であった事を知る。
そして手術費用がその保険金で賄われた事は疑うべくもなかった。


67 名前:2/2 投稿日:2007/08/02(木) 23:24:15
 疲れ果てて帰宅した彼女を彼氏の呻きと、そして女のあえぎ声が重なって迎える。
 そっとベッドルームを覗くと、女が彼氏に跨って腰を振っていた。
 その顔は・・・紛れもなく『彼女』だった。
 シリコンではなく、腹部から抜き取った脂肪で豊胸された胸は腐り、乳首から膿を垂れ流す。
 薄く削がれた頬骨は割れて皮膚を突き破り、顎骨も崩壊して筋肉が締め付けるままに萎縮している。
 血膿を垂れ流しながら嬌声を上げる『彼女』。
 崩れてゆく肉体に気付かず、膿を湧き出す乳房を揉みながら快楽に呻く彼氏。

 ふと、『彼女』が主人公を振り返った。
 「私・・・き・れ・い?」
 一際大きな哄笑が主人公を包んだ。

 映画化もされたらしいんだけど、未見なので出来なんかは不明。
 生理的にも気持ち悪くていや~な気分が残るのだわ。


68 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/08/02(木) 23:38:47
>>67
なかなか面白い。
唯川さんは、昔、コバルトかなんかで少女小説書いてたけど、ブラックも上手だね。

彼女、は、主人公に恨みを抱いていたから、彼氏を奪ったってことかな?


70 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/08/03(金) 00:15:41
その状態で気付かない彼氏スゴスwwwwwww

71 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/08/03(金) 00:19:04
きっと彼氏はそういう趣味の人だったんだよw

 

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