闇の中へ(グレッグ・イーガン)

710 名前:1/3 投稿日:2008/01/08(火) 18:24:00
短編小説。作者はイーガンだったと思う。

主人公はボランティアのレスキュー隊員。
この世界では異空間が出現する災害が起こっていた。
ドーム状の異空間が突然現れ覆われた地域から脱出が不可能になる。
しかし外には逃げられないが異空間の中心へ向かうことは可能だ。
冷静に中心を目指す住民もいるが、恐怖にかられて外へ逃げようとする住民もいる。
主人公達ボランティアは外部から異空間に突入し中心を目指して歩いていく。
逃げ遅れた住民やパニックになった住民を誘導し、安全に中心まで運ぶ。

ルート選択には細心の注意を払う。
外部に向かった移動はできない。必ず内部に向かうルートを選ばなくてはならない。
中心にたどり着いた後は、ひたすら待つだけ。
異空間は突然出現し突然消えていく。


711 名前:2/3 投稿日:2008/01/08(火) 18:24:31
今日も異空間が出現した。
主人公も出動し、逃げ遅れた子供や子供を助けようと必死になっている母親を誘導する。
逃げ遅れがいないか探しているうちに奇妙な装置を発見した。
これは現実世界にある装置ではなく、異空間の中に存在するものかもしれない。
ひょっとしたら異空間を発生させている装置かもしれない。
この数年、何十回も異空間に入ったが初めて見る代物だった。
今を逃せば二度と遭遇できないかもしれない。
主人公は躊躇ったが装置を破壊した。

無事に中心へたどり着いた主人公。
ボランティア仲間や医療班、救助された多くの住民達が休んでいた。
今日も無事に終わったと一息つく主人公。装置のことをどう報告するかと悩んでいる。
1時間が経ち2時間が経った。異空間が消えない。
住民達が不安にざわめきはじめた。
ボランティアや医療班はなすすべもなく右往左往している。


712 名前:3/3 投稿日:2008/01/08(火) 18:25:03
主人公は考える。
あの装置は本当に異空間を発生させていた装置なんだろうか。
異空間を発生させる装置ではなく、移動させる装置だったとしたら…?
主人公は異空間を固定させてしまったのかもしれない。
答えが出せないまま主人公は待ち続けるしかなかった。

713 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/08(火) 19:14:59
雰囲気で意味はわかるんだけど、
異空間の中心を目指す理由を明記してくれたらうれしい。

715 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/08(火) 19:49:11
>>713
異空間が消滅する時に内壁から発せられる、
ソニックウェーブで身体が飛散してしまうから。

 

しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)
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