儀式(犬木加奈子)

484 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/29(火) 01:04:19
犬木佳奈子のマンガ。

財閥の令嬢だけど、何も取りえのない平凡少女A。真面目で成績学年トップ頭脳派のB。
超美人で女優を目指すC。地味だけど、作文が大得意で小説家を目指しているD。
彼女達は中学の大親友だった。中3になり、卒業間近な頃。
卒業後はそれぞれ別々の高校へ進学する4人。
卒業しても、みんなで作った想い出を忘れないために、そしてこれからのために
永遠に親友同士でいようという誓いをしよう、と提案をするB。
その誓いにはある呪文が必要で、その呪文は悪魔に捧げる呪文であるらしい。
他のメンバーは「悪魔に誓うの!?」「面白そうだけど何か怖いよー」と躊躇うのだが
「私はいつまでも皆と親友でいたいから…」と泣き出すBに感化され、呪文を唱えながら永遠の友情を誓う。
その際、毎年この日には必ずこの誓いをしたこの場所に集まり、
友情を誓うと書かれた誓約書にサインをするという約束をする。

そして1年後。
誓いの場所にA、B、Cがやってくる。再会を喜ぶ3人だが、時間になってもDが来ない。
するとCが「駅のホームでDを見た。一緒に行こうと思ったら、
小説の授賞式で出れないからって反対側の電車に乗っちゃった」と打ち明ける。
私たちの友情ってDにとってはそんな程度だったのか、と3人は激しく落ち込むが、
とりあえずそのメンバーで楽しく過ごす。…が、突然部屋のドアが開き、Dが入ってくる。
遅かったじゃん!きてくれたんだ!と3人はそれぞれDに向かって言うが、Dは自分の名前だけ書いて煙のように消える。
驚き、悲鳴を上げて慌てふためく3人。
するとその直後3人の元に、Dがホームに落ちて電車に轢かれて死んだという連絡が入る。
Dの体はほぼバラバラであったが、どうしても右腕だけが見つからなかった。
右腕がなければ、あの世へ行っても小説なんか書けない、酷すぎる…と、葬式で泣き喚く3人。
1人の親友を失ったが、死んでも約束を守ろうとしたDのためにも、3人はこれからも友情を育もうとする。


485 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/29(火) 01:05:49
その1年後。
Dの死の直後、なぜかBが書いた小説が良い賞を。
そして超美人のCは、美少女コンテストでグランプリを受賞し
今や超売れっ子アイドルとなっていた。
このCだけは、去年のDの死と「悪魔の誓い」を不審に思っており
「もしかしてDは約束を死んでも守ったのではなく、約束を破ったせいで死んだのでは?
 右腕が見つからないのはそのせいじゃないか」
と疑っていた。
例の約束の日になるが、クランクアップ間近の映画のヒロインに抜擢されたCは
なかなか撮影が進まないせいで、仕事から抜け出すチャンスを得られないでいた。
早く終わらせないと、私もDのようになってしまう―
焦ってばかりで良い演技が出来ず、監督からはカットの嵐。共演者からも非難の目。
そんな撮影現場も休憩に入るが、もう完全に約束を守れそうになく、絶望したCの元に
ファンから来たと言う手鏡が届けられる。その手鏡には「次に死ぬのはお前だ」という脅迫文が書かれていた。
驚愕しながらどんな子が持ってきたのかと聞くと、そのファンの風貌は、まるでDを彷彿とさせるような背格好だった。
パニック状態に陥ったCだが、それに気付かないメイクさんが駆け寄って、メイク直しをしようと鏡を見せる。
鏡に映った自分を見たCは愕然。なんと自分の顔に大きな大きなヒビが入っているではないか!
ただ単に鏡にヒビが入っていただけだったのだが、自分の顔が崩れてしまったと思い込んだCは発狂。
自分の顔の皮をナイフで剥ぎ、そのまま首を吊ってしまう。

487 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/29(火) 01:06:42
一方、AとB2人だけしか居ない例の場所。
Cは必ず来ると信じているAを、もう諦めようと諭すB。
Aも薄々、あの誓いが胡散臭いと感じており、
この約束を破ればCの身に何か起こるかも知れない、と不安を抱いていた。
そんな2人の前に、突如現れるC。
「間に合ったんだ!」と喜ぶ2人だが、Cの顔は皮が剥がれて血塗れ、
そしてCの背後には顔がぐちゃぐちゃになったDが…。
唖然とするABの前で、CDは例の如くサインを記入、そして消えてしまう。
泣き崩れるA、呆然とするB。
CDの死が偶然ではないことを確信したAは
「約束をしたから殺される!あんな誓いなんかしなきゃよかった。もう来年から私は来ない!」と怯えるが
「もう願いは既に悪魔に届いてしまった、破ったら2人みたいになってしまう。
 私達は約束を守り続けるしかない…」
と、うなだれるB。
来年も、再来年も、そのまた来年も、ずっと約束を守り続けなければならない…。

2人の親友が死んでから1年後。AとBは高校3年生になっていた。
例の約束の日になり、集合場所へ向かうAは、先に到着していたBを見て驚く。
勉強一筋だった真面目少女Bは、嘘のように垢抜けて雰囲気美人になっていたのだ。
女の子は変わるもんだよね、とAは納得するが、Bは
「私がどんな思いをしてきたか、Aなんか何も知らなかったくせに!」
と言いながら、突然形相を変えてAを殺そうとする。突然のことに驚き、怯えるA。
知らないことって何?
自分たち4人は、何でも分かり合える親友だと思って疑っていなかったA。
ぽつりぽつり、Bは自分の中学時代を振り返って怯えているAに話し始める。


488 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/29(火) 01:08:41
中学時代のある日、Bは小説を書いてみようと決意する。
拙い文章ながらもどうにか完成した小説を小説家志望の親友、Dだけに小説を見せる。
DはBの小説をダメ出しするが、「アイデアはとても良いよ」と褒めてくれる。
数ヵ月後、Dは学生小説コンテストで賞を獲得するが、その小説は明らかにBの小説のパクりであった。
どういうことだと問い詰めるBに対し、
Dは「Bが書くより私が書いたほうがいい作品に出来る」と言い放つ。
そして美少女のC。
おませで恋愛話が大好きなCは、ある日Bに好きな人がいるのかどうか尋ねる。
内緒にしといてね、とBはCにだけ、密かに想いを寄せている男子の名を告げる。
が、無神経なCはそれを「Bって勉強だけじゃなかったんだねwwウケるwww」みたいにクラス中に吹聴、
結局恋は実らなかった、ということがあったのだ。
そしてAにも。
勉強はからっきしダメだったA。
勉強が取り柄のBが頼りで、テスト前になるとBにひたすらくっ付いていた。
家が財閥で大金持ちのAは、そのお返しとして高価な文房具や時計などをプレゼントしていた。
そしてテスト前になるとBに頼る→お返し→頼る→お返し→ry
と、高価なもので私を利用していただけだ、私なんて皆にとって、利用するだけの価値でしかなかったんだ。
それらの出来事で信じていたものが崩れ落ち、表面上だけの親友たちに復讐を決意したというのだ。

489 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/29(火) 01:09:56
それは誤解だ、私は本当に親友だと思っていた!そんなつもりじゃなかった!と、誤解を解こうとするA。
だがBは一向に聞き入れない。そして、Bは例の誓いも、復讐のための誓いだったと告白する。
誓いは友情の誓いというのは嘘で、悪魔とB個人との誓いであったのだ。
誓いを破った者は地獄へ落ち、魂は悪魔へと引き渡される代わりに、その才能をBが受け取る…という取引だったのだ。
Dをホームに突き落として殺したのはB、Cに手鏡をプレゼントし、自殺へ追いやったのもBの仕業だった。
そしてBはDから文才を受け取り、Cからは美貌を受け取った。
そしてあとはAを殺し、Aの持つ財産を手に入れて海外へ留学、私の人生バラ色!
こんなバカな約束も今日で終わり、とAを殺そうとした瞬間
どこからともなくCDの幽霊が現れ
「私達4人の約束は続けなければならないと、誓約書にも書いている、抜け駆けなんて許さない」と
Bをその場で呪い殺してしまう。

数年の年月が経った。
1人残され、結果として3人の才能を全て受け継いだAは、
超一流大を卒業、超美人な資産家の娘の若手作家、というとんでもないセレブな人生を歩んでいた。
だが、例の友情の誓いだけは、約束だけはずっと守り続けている。
死んでも、魂は地獄へ行くことは確実。もうどうしようもない…

書いてみたら長いだけで、ちっとも面白くないなゴメン


491 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/29(火) 01:21:22
>>484-489はまとめと言うよりシナリオそのままだろう。
しかし懐かしいな。

492 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/29(火) 01:22:07
なかなか面白かった、乙どす。

ただ、契約をしたのはBなのに、何故Aがそれぞれの才能を受け継いだのかわからん…


494 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/01/29(火) 01:50:45
たぶんこの漫画昔読んだことあるな、うろ覚えだが。
内容より絵がキモかった記憶がw

>>492
結果として、Bも約束を破ったからじゃない?
=一人守り続けてるAに継承、みたいな。

 

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