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850 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/16(土) 05:04:00
題名も作者も忘れたけどミステリ作家の短編集の一話
「足長おじさん」のブラックパロディらしく、
資産家に引き取られることになった孤児院の少女というシチュ(舞台は日本)で
本文はすべて少女の書簡形式で綴られている
始まりは孤児院を出る前夜に書かれたらしい院長に宛てた手紙で、
少女の新生活に対する喜びや希望と院長への感謝で溢れていた
そして資産家の屋敷に引き取られてからの手紙には
少女の養父(資産家)に対する違和感が院長への相談のような形で混じるようになる
やがて手紙は院長への糾弾めいた文面に変わる。
院長先生は知っていたのでしょう、などと責めるが少女の詳しい状況は手紙には一切書かれていない
その合間に宛名のない手紙が挿入される
(それまでに少女が監禁されていると思われるような表現があるので、
恐らく誰彼構わず屋敷外の人間に拾って欲しくて書いたもの)

その手紙は縦書きの普通に読めばただの世間話のような文面だが、
行頭の一字を拾って横に読むと(2ちゃんでいう縦読み)
「たすけておんながつかまっている」みたいなメッセージになっている
やがて恐らく少女が引き取られてから十数年は経ったと思われる頃、
再び少女から院長に宛てられた手紙が登場する
その手紙には養父が孤児院に多額の援助をしていたこと、その見返りに少女が提供されたこと、
院長はすべて承知していたこと、養父から悪い病気(恐らく性病)を貰い
おぞましい姿になったことなどが「友好的」な文体で綴られる
最後は少女から院長への提案で締められる。
自分は養父の莫大な遺産を相続したのでぜひ孤児院への援助を続けたい、
そこでひとつ条件がある、孤児院の美少年を一人、提供していただきたい―…

まあやられっぱなしじゃなく一転攻勢、とも取れるけど
自分的には後味悪かったしぞっとする話だった


851 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/16(土) 05:22:49
>>850
それの作者、このスレの常連阿刀田高だったと思う
題名までは思い出せないけど

852 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/16(土) 05:40:01
そうやって歴史は繰り返していく、みたいなことを匂わせて終っているのは、
確かに後味悪いが個人的には好きだ。その本は読んだことないけど。

854 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/16(土) 08:56:06
>>850
阿刀田高の短編集「恐怖同盟」の中の「耳」ですね。
私もその小説を思い出して書こうと思ってたけど、書かないでよかったw
要約がお上手ですね。
題名の「耳」は養父の耳が悪魔のように長くとがっていたこと
(主人公は耳ながおじさん、と揶揄している)
主人公の耳も次第に長くとがってきたことから。

 

恐怖同盟 (新潮文庫)
恐怖同盟 (新潮文庫)


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