目を瞑っていればよかった
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984 名前:1 投稿日:2008/03/06(木) 01:04:04
- 昔読んだ古い小説、タイトル作者ともに失念。
うろ覚えなのだがある夫婦に双子の兄妹(姉弟かも)が生まれた。
幸せな日々が続いていたが、ある頃から
夫は「子供が自分に似ていない」と思い始める。片方はそこそこ似ているのだが、もう片方がどうも違う。
まさか自分の子供ではないのでは?と悩んだ夫は
離婚をも決意して、妻に問いただす。最初はしらばっくれていた妻だったが、夫は信じることが出来ない。
夫は「きちんと検査をして証明しよう」と迫る。
(この時代はまだDNA検査が行われていなかったのだと思われる。
なので検査と言っても、血液型なんかの遺伝的要素を調べる感じで
曖昧さや誤差があるものらしい)
結果的に周囲の人間(夫の両親や、検査を請け負う人=知人だったかと)の
反対を押し切り、検査を依頼する。
検査の際、妻は自信に満ちあふれ、夫は一瞬、自分が間違っているのではないかと
錯覚する程だった。
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985 名前:2 投稿日:2008/03/06(木) 01:05:29
- 結果、子供達は自分の子供ではない事が判明する。
妻は「たった一度だけ、過ちを犯しました」と告白する。
その相手は、妻のかつての恋人だった。夫は子供達を育てる気をなくし、妻の元恋人に子供達を受け入れる様に言う。
しかし元恋人も既に結婚しているため、容易に認めない。
子供達が元恋人と妻の間に出来た子供かどうかを調べる事になったが
その結果、子供のうちの1人は元恋人の子供だが、1人は違うと判明する。結果的に、妻は2人の男と浮気をしていた事が分かった。
妻は同日に2人の男に抱かれ、極稀な確率で、2人の子供を授かったのだと言う。自分から望んで深淵を覗き、秘密を暴いた夫だったが、
残った物は侘しさと虚しさだけ。
孫をとてもかわいがっていた、年老いた両親が言う。
「目を瞑っていれば良かった。そうすれば幸せに暮らせたのに」……妻がDQNなだけなのだが、読んだ後、自分も虚しくて侘しくなった。
秘密を暴かなければ、主人公はそれなりに幸せそうだったんだよなあ。
真実を知っても知らなくても、後味の悪い話だと思った。