ホーム » 小説 » 小説/あ行 » インベーダー(馳星周)

396 名前:1/3 投稿日:2008/03/12(水) 12:50:25
馳星周の短編「インベーダー」
うん、要約センスないんだ。すまない。長いから暇な人だけ読んでくれ・・・

昭和50年代、主人公の”俺”は中学生。父親は飲んだくれの博打うちで、代わりに母親が必死に働く日々。
高校生の姉はスケバンで、俺は地回りのチンピラ”タケちゃん(武)”を慕っていた。
ある日、向かいの家の葬式にそこの息子である元人気演歌歌手の”彼末”が東京からやってくる。
田舎町であるため有名人の来訪に人だかりができ、親父はその中で「おじさん、久しぶり」と
彼末に話しかけられたことですっかり舞い上がってしまう。
俺はといえば、彼末が乗ってきた真っ赤なポルシェと彼のマネージャーだという女性に目が行っていた。

彼末は東京には帰らず家に居つくようになり、毎晩のように親父と飲みに行くようになった。
博打代や飲み代は全て親父が持ち、母親が抗議しても「天下の彼末に金を使わせられるか」と殴りつけて終わり。
最初は彼末を嫌っていた姉も、彼の話す芸能話に夢中になっていた。
そんな中、俺は”タケちゃん”から親父たちが組の賭場に出入りしていることを聞く。
ついでにマネージャーというあの女性が彼末の情婦であるということも。
「お前の親父は組と彼末のいいカモにされてる。お袋さんに忠告しとけ」という武に
「タケちゃんの組の賭場なのになんでそんな事言うの」と俺が聞くと
「知り合いが不幸になるのは見たくねぇだろう。
 お前は俺みたいになりたくないだろ?ヤクザにだけはなるなよ」と武は答える。
その晩、酔った武が彼末を「ペテン師」呼ばわりしたことで親父と殴り合いになり、警察沙汰となった。
騒ぎの中で母親に親父の大借金(博打の)がばれ、
母親は「疲れました」の置手紙を残して一人で家を出て行ってしまう。

武は彼末が組にチクったことで、顔が腫れるほど殴られていた。
「二人で仕返ししてやろうか、彼末に」という武に
「でも直接あいつに手を出すと、組にまたヤキいれられるよ」と俺が言うと、
武は彼末の情婦のあの女性を呼び出すよう言った。
やって来た女性を捕まえて、俺は武に促され彼女をレイプする。しかし罪悪感と惨めさしか残らなかった。
姉は高校を中退して宇都宮へ出て行った。男が待っているのか、と俺は直感した。


397 名前:2/3 投稿日:2008/03/12(水) 12:51:10
ある日、組の人間からの伝言を伝えに武の部屋に行くと、そこにはあの女性がいた。
あんなことしたのにどうして、と聞く俺に
「彼末に他に女ができたらしい。あの女、男に飢えてたってわけよ」と武は笑って答える。
何かが爆発してしまった俺は武に罵声を浴びせ、散々に殴られる。
寝込んでいた俺は、布団の中で親父と彼末が話しているのを聞く。
親父が代々所有している山を売って、その金で人気作曲家に曲を書いてもらう。
ヒット間違いなしだから、そうすれば借金を返してもおつりが来る程の金が手に入ると、彼末は親父に持ちかけた。
親父は上機嫌で不動産屋に電話をかけた。

俺は夜にバットを持ち彼末のポルシェを散々殴りつけた。破壊に昂揚したまま逃げた先で武と出会う。
「あの女と町を出て行く」と言われて動揺する俺に、彼は続けて言う。
あいつはすげぇタマだぞ。お前の親父が山売ったのだってあいつが彼末に入れ知恵したからだ。
手切れ金だよ。くれなきゃ全部お前の(主人公の)親父にばらすってな。
彼末は昼間ポルシェで出かけるだろう。どこに行くと思う?宇都宮だよ。宇都宮には誰がいる?
彼末の新しい女ってのはお前の姉貴なんだよ。どうせ芸能界がどうのって口説いたんだろうが・・・。
それをお前の親父にばらすってあの女は彼末を脅したのさ。だけど彼末には金がないから、
その作り方まで教えてやったってわけだ。
「前に知り合いが不幸になるのは見たくないって言ったじゃないか」という俺に
「もう決めちまった。町を出るには金が要る。どんな金でも金は金だ。」と答えて武は出て行く。


398 名前:3/3 投稿日:2008/03/12(水) 12:51:49
武もあの女性も、彼末も町を去った。1週間後に妊娠した姉が憔悴して戻ってくる。
腹の子の父親が彼末と聞いて、さすがの親父も顔色が変わったが、
当然のように電話も住所もでたらめで、彼に連絡はつかなかった。
姉は堕胎させられ、親父は裏切られたショックで酒びたりのまま脳卒中で死ぬ。
俺は姉に連れられ宇都宮へと行くが、やくざに風俗で働かされていた姉は
薬漬けとなり、俺の中学卒業前に自殺する。
俺はそれから20年故郷に戻らず、現在は詐欺師まがいの裏稼業をして生きている。
鏡があれば、俺はあの頃の彼末と同じ顔をしていることだろう――

馬鹿親父もそうだが、慕っていた武もやはりヤクザはヤクザでした、な流れに変わっていくのが辛かった。
あとやっぱり子供がまきこまれる話ってのは全体的に後味が悪いね。


402 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/03/12(水) 16:10:23
>>396-398
久しぶりに読み応えのある後味悪なレスだった。
主人公は家族から離れて堅気の職で一人細々と食っていく、とかならまだ救いようあった気がするけどさ。

403 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/03/12(水) 16:15:03
いわゆるノワール小説というやつだな
つーか馳星周の小説は全部そんな感じなんだが

404 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/03/12(水) 16:38:52
>>402
馳星周が書いたって時点で、
>家族から離れて堅気の職で一人細々と食っていく
な結末はありえない

 

事件現場に行こう―最新ベスト・ミステリーカレイドスコープ編 (カッパ・ノベルス)
事件現場に行こう
最新ベスト・ミステリー
カレイドスコープ編 (カッパ・ノベルス)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...