ゲゲゲの鬼太郎/第2期第37話「地相眼」
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389 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/04/19(土) 11:39:19
- 妖怪で思い出したゲゲゲ鬼太郎の「地相眼」
鬼太郎のもとに大企業社長が相談に来る。
社長は25年前の戦後の混乱期に妖怪界に入り込み、
そこで「地相眼」という水晶玉のような
世界の地に関するすべてを見通せる石をヘソにくっつけて人間界に戻ってしまった。
その後その石のおかげでいまの地位までのしあがったのだが、
10年前に妖怪界からひとりの使者(大ミミズ型)がやってきて言うには
「その石が妖怪界からなくなったおかげで皆困っている。
しかしお前のヘソに付いたものはもういらないから
お前の息子が二十歳になったら新しい地相眼としたいので差し出せ。
断るならお前の命も地位もなくなるだろう」。鬼太郎は「大ミミズ君も紳士的に予告してくれたんだししかたないでしょう」というが
来週息子は二十歳になる、どうにかしてくれと社長は泣きつく。
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390 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/04/19(土) 11:39:54
- 方や社長の息子は社長の日記をこっそり読んでてその話を既に知っていた。
「親父はどっちを選ぶのかな」
彼は生きることに意欲があまりなく、学生運動に夢中になっている同世代を冷めた目でしか見られない。
しかし、ぼんやりと見ていた学生運動の流れ弾が当たりちょっと怪我をしたときに
社長がとても心配していたと鬼太郎たちから聞いて嬉しがり満足して地相眼になることを決意する。
「親父が死んだらみんな困るけど僕が死んでも何も変わりませんから」と。大ミミズに連れられ妖怪界に向かう息子。鬼太郎は急いで社長のもとへ走り最期に会うよう勧める。
妖怪界でふたりっきりで語り合う社長と息子。
「無駄と思ったら簡単に社員の首を切る親父のエゴイストぶりについていけないんだ。
でもただ逃げるんじゃあれだけどこれなら親父の役に立って逃げられるから。じゃあさよなら」
と息子は大ミミズのもとへ駆けていく。その背に「許してくれ~!」と社長。息子は大ミミズのなかで変化しながら思う、
「親父だけがエゴイストって訳じゃないんだな。
日本人はいつから集団発狂してエコノミックキチガイになってしまったんだろう、
どうしてもっと人間らしい生き方ができないんだろう…」
そして息子は輝く地相眼となった。