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43 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/05(木) 19:26:17
マイケル・ドリスの「朝の少女」

自然豊かで楽園のような島で暮らす家族の話で、
朝を愛する「朝の少女」と夜を愛する「星の子」二人の姉弟が
交互に一人称で一話ごと話が進んでいく。
内容はとても綺麗な話で、二人の成長や家族愛なんか描かれている。

例えば、少女は自分の顔が知りたくて、水を覗くも決まって水面は揺れてしまう。
母親に相談すると、母親は手を持って自分の顔と少女の顔をなぞらせる。
「同じようなアーモンド形の瞳」「少し尖っている顎」等触覚で造形を知る。
しかしそれでも満足できず、今度は父親に聞くと、父は「私の目を覗いてごらん」と言う。
少女は言われたとおりにすると、父親の深い色の瞳に少女の姿が映っていた。
「これが知りたがっていたことの答えだ、この子に会いたかったらいつでもおいで」、と…。

そういう心温まる話のあと、カヌーに乗って見たことも無い異国の人が島へやってきて、
もてなしをした、というシーンがラスト。
エピローグとして、その異国の人が故郷に宛てた島のことについて書いた手紙で終わる。
内容は忘れたけどその異国の人ってのはコロンブスで、まぁ早い話が
その島は侵略・虐殺されたってことを暗に示している。
それが最後ほんの1、2ページで何の前触れも無くて、本当に突然。

でも本のカバー(本屋さんでかけてくれるやつ)をふととってみると、
帯のあおりには「私たちはとても幸せだった。――あの日がくるまでは」
みたいなことが書かれていて、ああ、この本が伝えたいのはラストなんだな、と悟った。
でもちょっと内容勘違いしそうな上ネタバレじゃあ…とも思った。

 

朝の少女 (新潮文庫)
朝の少女 (新潮文庫)


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