ペット・セマタリー(スティーブン・キング)

53 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/06(金) 00:23:46
ペットセマタリーは高校ん頃に読んで
まあよくあるゾンビ物だな程度の感想だったっけど、
子ども持ってから読み直して本当の恐怖のポイントを理解した。

あらすじは御存じだろうとして書くが、
上下巻で、上巻のラスト辺りで幼い息子が死ぬ
(車道に走りだす息子→がタッチの差で届かず目の前で死亡)。
しかし下巻は息子がギリで助かったという展開で、
「あれ?」と思ってるとそれは主人公の悲しみのあまりの妄想。
また息子と凧揚げして楽しかった、というような
些細なんだけどすげえ幸せで泣きたくなるような回想があって、
主人公は蘇生しても邪悪化することを承知でペット霊園に息子の死体を埋めるんだよな。

恐ろしいのはね、
主人公と同じ境遇になったら、俺も同じことするだろうこと。
ペットセマタリーのオチ知ってても、同じことするよ。
それでも生き返って欲しいと思うよ。
ガキの頃は怖い話だと思って読んでたけど、
あれは本当に悲しくて切ない物語なんだよ。

ワイフ?
もちろん埋めにいくさ。心臓に杭を打ち込んでからネ!
HAHAHA!


65 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/06(金) 07:52:57
ペットセメタリーでもっと後味が悪いのは
邪悪によみがえった息子に最愛の妻を殺されてしまい、
主人公は自らの手でよみがえらせた邪悪息子を再びその手にかける。
そして主人公は懲りもせずにペット霊園に妻を埋める。
よみがえってきた妻と抱擁をし、キスを交わす主人公。
しかしよみがえった妻の後ろ手には包丁が・・・という落ち。

人は愛ゆえに苦しまねばならないのだな。切ない。


71 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/06(金) 10:39:09
ペットセメタリーの予告で「泣きたくなるほど悲しく恐ろしい」という宣伝文句で
道路に膝をついて泣き叫んでいる父親の姿が印象に残ってる。

両親が必死で走って追いつこうとしてるのに、2歳児の息子は追いかけっこだと思ってキャッキャ逃げてって
その結果トラックに轢き殺されるんだよね…。
見た当時私も子供だったんで、「調子にのってるからだよ」と突き放す感想持ってたんだけど
現在実際に2歳になる息子がいるんで、なんでそんな風に思ったと過去の自分につっこみたい。

>息子がギリで助かったという展開で、
ここ相当つらい。
父が必死で走って思いきり飛びついて、ギリで息子に手が届く。
2人で転がった後、轟音をたてて走り去るトラック。「もう絶対道路に飛び出しちゃだめ!」と泣く母親。
父は鼻血が出て股間を強打して、「もう子種が無くなったかも」と言うと母狂ったようにに笑いだして、
父はそれを見て、もし息子が轢かれて死んでいたら、本当に狂っていただろうと思う。
小学校にあがった息子は水泳の才能を発揮。
高校生になると宗派を変えるとか言い出し、母はつきあってる彼女の悪影響だと彼女を嫌ったりする。
その後息子はオリンピックの強化選手に選ばれ、遂には金メダル獲得。
それを老いた夫婦2人でテレビで見ながら泣いて「これが全ての仕上げだろうな」と言うんだけど
仕上げ(キャップ)。あのこの帽子(キャップ)。
あの子の帽子は血まみれだ。そこで現実に戻る。


72 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/06(金) 10:50:06
連投スマソ。もうひとつ思い出した。
呪われた墓地に埋葬した結果、悪霊が入り込んで蘇った息子。
近所の人が殺され、父はもう息子ではないと悟り自分の手で葬ろうとする。
嘲りながら逃げる息子を追う父。
そこへ何か嫌な予感があって、家に戻って来た母。
目の前に突然現れた息子に、思わず両手を伸ばし、息子の名前を呼ぶ。
母の腕の中に飛び込んでくる息子。片手を背中にまわして隠したまま。
まるでどこかで摘んだお花を隠しているように。
「いいもの持って来たよママ!」と繰り返し言う息子。

ホラーとしてはありがちな場面かもしれないが、
息子が死んだ悲しみと後悔を嫌というほど読まされた後のこの展開。本当に鬱。


74 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/06(金) 11:14:45
キングの小説は恐ろしいが同時に切ないのが多いよね・・・・・

75 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/06(金) 11:53:31
まあ愛しい人がどんな形であれ蘇ってくれれば!っていうのは
愚かでも人の切なる願いだよな。
責めたりーしちゃいかんよな。

79 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/06(金) 14:18:40
キングは確かに切ない話が多いんだよね。
セマタリー(本来は”セメタリー”が正しいスペリングだが、劇中では子供が書いた誤字という事で
”セマタリー”となっている。このためかタイトルが原作はセマタリー、映画はセメタリーと区別化されている)
もさる事ながら、私的にはキャリーも切ない。

原作こそキングの初期作だけに、今一つ彼らしい緻密さというか、
感情表現が弱く感じるが、映画と併読すると実に切ない。
原作での執拗なイジメ、キャリーの死を悼む者もなく、
死後もただその存在を揶揄するが如き皮肉な造語が作られたりする悲劇。
映画でのキャリー(シシー・スペイセク)の演技の素晴らしさ
(ダンスパーティーシーンの幸せそうなキャリーの姿は泣けてくる程美しい)。
色んな意味で原作と映画のワンセットで完成してる気がする。

どちらにせよ後味悪いんだけど。

 

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