ホーム » 小説 » 小説/は行 » 臍(乃南アサ)

807 名前:1/2 :2008/11/06(木) 15:07:14
乃南アサの「臍」という短編。

主人公は銀行員の夫と二人の娘と暮らす平凡な専業主婦。
真面目で堅物な夫は
「自分が仕事に出ている間、子を育て家を守るのは嫁の役目」という考えで、
主人公もそれに従い娘達を育ててきた。
ある日、高校生の次女・未菜子が臍の整形をしたいと相談してくる。
「お父さんに聞いてみないと」と主人公は渋るが、
「言ったってお父さんが理解してくれるわけないじゃない!」と駄々をこねる次女。
さらに、援助交際で資金を稼ぎパトロンに手術の同意書を書かせて整形した友人の話をし、
こうして親に正直に話している自分は真面目だと主張。
主人公は渋々夫に内緒で整形手術を受けることを許す。


808 名前:2/2 :2008/11/06(木) 15:08:35
当日、未菜子の手術が終わるのを待ちながら医師と雑談する主人公。
「臍は体の中心にあり重要なものだと思われているが、実際はそんなことはない」という医師の言葉。
また、そこで目元の皺を指摘され、25万で皺を消すことができると勧められる。
「整形なんて…」と最初は否定的に思いつつも、
「綺麗になったってご主人も喜んでくれますよ」という医師の言葉に後押しされ手術を決意。
実際カウンセリングを受けると、顔全体のバランスを考えると90万程度かかるとのこと。
その金額に一瞬動揺するも、一度その気になったらもうやめることはできなかった。
娘達には
「お父さんが気づかないわけないんだから、言われたら正直に整形のことを打ち明ける」と説明する。
ところが夫は皺取り後の妻の顔を見ても何も気づかない。
がっかりした主人公は、もう少しわかりやすくないと気づいてもらえないのかと考え、
顔の脂肪をとる手術も受ける。
今度こそ、と期待するもやはり夫は何も気づかなかった。
そのうちに大学生の長女・千春も整形したいと言い出した。
長女だけに許しを出さないわけにはいかず、千春もまた整形により美しく顔を変える。
しかし相変わらず家族の変化に気づかない夫。
次第に娘達は褪めた目で父親を見るようになり、主人公も、
「あなたって我が家の“お臍”だったのね」と嫌味を言ってしまう。

ある日、滅多に酒など飲まない夫が泥酔状態で帰宅した。
驚いて駆け寄る主人公と長女、外出先から帰ってきた次女の前で、
「もう無理だ…限界だ…」と呟きながら夫は崩れ落ちる。
そして自分を取り囲む3人を焦点の合わない目で見回してこう言った。
「あれ、千春の…いや、未菜子のお友達かな…?」
そして、脂肪と皺を取り美しく若返った主人公に向かって、
「大変申し訳ないのですが、女房を呼んでもらえませんか…」と呼びかけた。
言葉も出ず呆然となる3人。
そのうち夫は高いびきを掻いて眠ってしまった。
そしてそのまま二度と目覚める事はなかった。

終わり。


812 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/06(木) 17:15:33
>>807
夫は目が悪いの?

813 名前:807-808 :2008/11/06(木) 17:50:23
>>812
そういう描写はなかった。
仕事して稼いでくるのが自分の役目でそれ以外には無関心なんだと思う。
「お父さんて、お母さんの顔なんかまともに見てないんじゃないの」
っていう娘の台詞が途中にある。

814 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/06(木) 17:54:17
整形していることに気付いているのに
気付かないふりをするのが限界だったの?

818 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/06(木) 18:18:10
>>814
だいぶ昔に読んだだけだし脳内で捏造してるが、

家庭外(会社とか)の方が忙しくてろくに顔見てるどころじゃなかったのだと脳内解釈した。


819 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/06(木) 18:45:17
泥酔して初めて、仕事を忘れて家族の顔を見る余裕ができたってことか。

820 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/06(木) 19:05:35
妻や娘達も父の異常や限界のシグナルに気付いてやれ無かったって事でもあるんだね

823 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/06(木) 19:50:40
父親は娘や妻の変化にも気付けない程多忙で追い詰められてたのに、
娘達は「仕事しか興味ないんだろpgr」って目で見てたって事か?
だとしたら後味ワルー

 

躯(からだ) (文春文庫)
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