ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その98 » まんぼう(武富健治)

317 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/28(日) 00:32:10
「まんぼう」

主人公は明るく可愛い女子中学生。
クラスメートのイケメンが主人公に惚れていると、
先日の林間学校の際に打ち明けたと噂されている。
イケメンはからかわれたことを気にしてか、異様に主人公を避けるようになっているが、
その態度がますます自分への好意の裏返しのように思えて主人公は意識してしまう。

林間学校以来変わったことに、友人の態度があった。
主人公の友人は小学校高学年から極端に太りだし、豚だの象だの言われ放題だった。
今までは、からかう側の男子たちは、友人に面と向かって堂々とそう呼びかけており、
友人の方も「うるせー馬鹿」とハッキリ言い返したりと、やり取り自体はカラっとしたものだった。
だが、近頃加わった悪口のレパートリーである「まんぼう」に対しては友人はひどく暗い態度で、
言い返しもしなかったし、そう言う男子たちもささやくように、
悪口が漏れたかのように装って陰湿に聞かせてくるのだった。

クラスメートの女子たちが図鑑を見て笑っていた。見ているページにはまんぼうの写真が。
男子が言うように、まんぼうは友人の横顔とそっくりだった。ブタや象とは違い、洒落にならないほどに。
だからこそ、男子たちは陰湿に言い、友人も本気で傷ついているのではないかと主人公は思った。
まんぼうと呼ばせるのをやめなければと男子たちを問い詰めたところ、名付けたのはイケメンだとわかった。
イケメンは以前、草笛という女子生徒の笛の匂いをかいで
「くさい笛」と言って名前を笑い物にし、不登校に追い込んだことがある。
でも先生に怒られて以来反省したように見えていた。
なんでまたこんなことをしているのか、怒りながら主人公はまんぼうと呼ぶのをやめさせるようイケメンに言った。
イケメンは必死な様子で謝り、そのことを承諾しながら、
まんぼうと呼ばれていたのは友人ではなく、友人と一緒にいた主人公の方だと言った。


318 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/28(日) 00:33:27
まんぼうという呼び声を聞くことはなくなったが、何故主人公がまんぼうと呼ばれていたのか、
その詳細は教えてもらえなかった。
主人公は気になって気の弱い男子に脅すよう問いかけた。
「どうして私がまんぼうなの? 似てないじゃない」
そう言うと、おびえていた様子だった男子は一転して笑いだし、
「だったら友人はまんぼうと似ているというのか ひどい奴だな」と言った。
その事を恥じ入る主人公に「どうせ誰にも言えないだろ」と笑いながら男子は全てを打ち明けた。

林間学校の脱衣所には、代々男子の間で伝えられているのぞき穴があった。
穴からはせまい範囲しか見えず、そこから見えたのは主人公の裸体だけだった。
男子たちは代わる代わる主人公の裸を見て興奮していた。
「よせよ、それ以上見るとイケメンが怒るぜ」と、ある男子がそう言ってイケメンをからかった。
イケメンはからかわれる恥ずかしさのあまり、主人公のことなど好きではないと怒鳴り、
「あいつ、まん毛ぼうぼうだし今度からまんぼうって呼ぼうぜ!」と言った。

主人公はその日、家に帰って号泣した。
親にも教師にも言えない問題で、泣き寝入りするしかなかった。
だが、友人にはこのことを告げなければいけなかった。
自分がまんぼうだと言われていると思って友人は傷ついているに違いないから。
が、打ち明けてみたところ「うん、知ってた」と友人は重々しく言った。
それなのに自分は「友人=まんぼう」だという前提で友人の前で男子を批難していた、
自分こそが友人を傷つけていたのだと知り、主人公はまたしても恥じた。
そこから立ち直るのに三年はかかったという。


319 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/28(日) 00:55:11
まんげぼうぼう!って普通ジャン。
まんげなし!よりましだと思うけどな。
それにしても、そんなあだ名は嫌だなー。
後味悪いと言うより、胸糞悪いって感じでした。

322 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/28(日) 01:17:37
>>317
なんか登場人物みんな嫌な気で終わる話だね。
これぞ後味の悪い話

 

掃除当番―武富健治作品集
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