附子

627 名前:本当にあった怖い名無し :2009/02/21(土) 02:03:26
附子か。確か小学校で観劇に行ったよ。懐かしス。

太郎冠者と次郎冠者の二人の弟子が、お師匠さんが高価なものと言って大事にしている毒を、
好奇心と見た目の素晴らしさに堪えられず一口なめてしまう。
するとそれは毒などではなく水飴で、そのあまりのうまさに
二人はお師匠さんが大事にしていることも忘れてあっというまに全部食ってしまった。
全部食ってからこれはまずい、ばれたらお師匠さんがお冠だ!とあせった二人はひと芝居うつことを思い付く。
結託した二人は、これまたお師匠さんが大事にしている高価な壷を持ってきて、
これをためらいもせずに床にたたき付けて割ってしまう。
そして二人で毒の瓶を抱え込み、さめざめと泣きながらお師匠さんの帰りを待った。
帰ってきたお師匠はこれを見て仰天する。瓶はからになっているし、大事な壷は割れている。
これはどうしたことかと二人に問うと、曰く、
「お師匠様の大切な壷を割ってしまい、申し訳なく自害しようと毒を食ったのですが、食っても食っても死ねません。」

確か、欲を出して嘘などつかずに飴を二人にも分けていれば、壷も飴も失うことはなかったのに…。
みたいな師匠の心の声が書かれてて後味ワルーと思ったような。
いろんなバリエーションがあるから、附子とは違う本だったかもしれないけど。

 

ぶす (狂言えほん)
ぶす (狂言えほん)
附子(ぶす)・ほか (光村ライブラリー 13)
附子(ぶす)・ほか 
(光村ライブラリー)(児童書)