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318 名前:本当にあった怖い名無し :2009/04/21(火) 02:01:18
昔読んだ星新一のショートショートを思い出した。

ある小型旅客機がエンジントラブルを起こして墜落の危機に陥ってしまった。
主人公はスチュワーデスで、きっと助かるから希望を持って、と乗客らに言って回る。
が、乗客達は皆冷静で、
「病苦で自殺しに行くための旅行だったからおk」
「夫を殺して逃げてきたから罰が当たったのよ」
「自分達はスパイだったがもう疲れた。やっと気持ちよく死ねる」
などと言って、次々と自分の過去を主人公に告白していく。
皆の犯罪行為やあきらめの良さに憤る主人公。
やがて、海面に着陸できる事が分かった。
主人公は喜んで乗客に救命胴衣の着方を実演してみせるが、誰も真似しようとしない。
不意に、乗客が主人公に襲い掛かかった。
救命胴衣を剥ぎ取り、紐で縛り上げさるぐつわを嵌める。
他の乗客は誰も、それを止めようとはしなかった。

ここで終わっていた。
最初に読んだ子供の頃は主人公以外は生還したのだと思ったけど、
今思うと乗客は全員自殺したんだろうな。生きたかった主人公を道連れに。

 

おのぞみの結末 (新潮文庫)
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