ホーム » 小説 » 小説/タイトル不明 » 昔読んだホラーアンソロの中の一編

355 名前:1/3 タイトル不明 :2009/05/24(日) 15:42:39
昔読んだホラーアンソロの中の一編。すまんがタイトルは忘れた。
ホラーアンソロなので、他は霊だの怪奇現象だの出てくる中、異彩を放ってた。

主人公は公務員の40代くらいの課長。自己中で狭量で女性差別者で、
部下のBという有能な女性主任が気に入らない。
女のくせに自分より仕事ができて、嫌がらせをしても正論で反撃してきて
でも追いつめるマネもしないでスッと引いたり
普段から主人公を上司として立てる態度も崩さない。
主人公が最低な性格なこともあって、部署は全員上司の主人公よりBを慕っている。
Bが有能すぎてバリバリ反撃もしてくるので、主人公は代わりにAという
地味で不細工で根暗な女子事務員をチクチク苛めている。
それもBに気付かれると反撃を食うので、みつからないような陰険な感じで。
まあこのAも、嫌な奴の主人公目線を通しての描写でも、仕事もトロく、人の話も聞いてなさそう。
無表情なのに、なにか言われると卑屈にニターッと不気味に笑うだけ、という
身近にいたらかなりイラっとするタイプだけど。
主人公の苛めにも無表情だし、どんな酷いことを言っても不気味にニターッと笑うだけ。

ある日、Aが朝からものすごい格好で出勤。
Aはその日は午後から有給を申請してあって、身内の結婚式に行く、とのこと。
だからって朝から職場に披露宴の格好で来るなよ!と、これはさすがのBもAを諫める。
でもAはやっぱりニターッ、と笑うだけで着替えようとはしない。
披露宴ドレスに髪型もセットしてあるのに、Aはやっぱり地味で不細工。
主人公が「ブスが着飾っても気持ち悪いだけだな」とイライラしながら書類を整理していると
その中に自分の浮気相手からの手紙が混ざっていることに気付く。
彼宛の封書は、まずAが開封して、束ねて主人公の机に置く。
「お願い、会いに来て」と書かれている手紙に、ご丁寧にAの印鑑まで押してある。
主人公が慌ててAを見ると、こっちを見ていたAがニターッと笑って目を逸らした。


356 名前:2/3 タイトル不明 :2009/05/24(日) 15:43:25
絶対にわざとだ、いつも俺に苛められている嫌がらせだ!と自分勝手にブチ切れる主人公。
Aに向かって、古い倉庫からどうでもいい古い資料を取って来るように、と命令する。
Bがすかさず「そんなもの今何に使うんですか。必要ないでしょう」と
Aを庇うのがムカついて絶対にどうしても必要な書類なんだ!と言い張る。
Bがじゃあ私が行きます、と言っても「そんな雑用は有能な君の仕事じゃない。Aが行け」と譲らない。
じゃあ僕が、と他の下っ端の同僚達が名乗り出ても「僕はAに頼んでいるんだ」と繰り返す。
Aは庇ってくれているBや同僚もいつも通り無視して、無言で立ち上がって倉庫に向かう。
心配するみんなの前に戻ってきたAは、全身埃まみれで蜘蛛の巣もつけて、せっかくの髪も服もぐしゃぐしゃ。
ところが主人公はその資料を見て「これじゃない。○年の資料だ」ともう一度行かせようとする。
(間違えたのは本当にAの方)
さすがにB以下部署全員が「いい加減にしろ!」と怒って、主人公を責め立てるものの
Aはまた黙って鍵を持って倉庫に向かってしまう。

A本人が行ってしまったので、主人公を責める声は収まったものの、全員が主人公に刺々しい空気のまま。
それが気に入らない主人公はAに逆恨みをして、ある悪戯を思いつく。
Aが倉庫に入って資料を探している間に、こっそり鍵をかけて閉じ込めてやろう。
明日の朝に出してやればいい。一晩倉庫に閉じ込められれば、さすがのAも泣くくらいするだろう…
そっと離籍して倉庫に向かう主人公。倉庫の扉は開いている。
使用中に鍵を掛けておく場所に行こうと中に入った主人公の背後で、倉庫の戸がガラガラと閉められる。
Aと入れ違いになって、自分が逆に閉じ込められてしまった。
慌てて扉に駆け寄り、全力で叩く主人公。
なのにAが戻ってくる気配はない。
呆然としながら、でも自分がいないことに気付いたら、きっと誰かが探しに来る、と思うものの
誰にも何も言わず来ていたことに気付く。
この古い倉庫は役所の敷地の奧にあって、用がない限り誰も来ない。
主人公が戸をいくら叩いて騒いでもすぐ近くに人がいない限り聞こえない。
そんなばかな、いや、でもきっと助けは来るはず……


357 名前:3/3 タイトル不明 :2009/05/24(日) 15:45:20
席に戻ったAはさらにボロボロの格好に。ストッキングも破れているのをみかねて
Bがトイレに連れ出し、髪を整え、服もできるだけ直し、自分のストッキングをあげて履き替えさせる。
「今日という今日はもう許せない。上に報告する」と主人公に憤慨するB。
「あなたも、言いなりはダメよ。理不尽なことは言い返さなきゃ」と言うBに、Aはただニヤーッと微笑んだ。

上司が戻らないので、職場の人間が席の周辺を探すと、デスクマットの下から例の愛人からの手紙が見つかる。
愛人と駆け落ちしたんじゃないか?と奥さんに連絡をしても
「やっぱりそうですか。もういいです。荷物だけ引き取ります」とそっけない態度。

そして十数年後。
順当に昇進して偉い立場になったBが部下を連れて古い倉庫の整理に訪れる。
データベース化が急速に進んで、紙の資料置き場のこの倉庫はもう長いこと誰も訪れていない。
倉庫の取り壊しが決まって、まずは中の書類を運び出す作業を担当になった。
きっと中はすごいわよ~と部下を脅すBと、うひゃ~、とか言いながら鍵を開ける部下数名。
男性部下の一人が、扉の前でなにかに躓く。
「あれ、なんだこのズダ袋…… あれ?」
 END

主人公がとにかく嫌な奴だったので、読んだ瞬間は「ざまあ」とかチラッと思うんだけど
Aが結局知ってて閉じ込めたのか、最後までわからないのでジワジワと後味が悪かった…


358 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/24(日) 15:46:28
>>355
面白かったです。
でもやっばり主人公ざまぁwwwとしか思えない。

382 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/25(月) 13:47:38
>>355->>357
まとめるの上手いな~
すごい引き込まれて読んでしまった
そしてやっぱり主人公ざまあww

383 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/25(月) 15:20:18
>>382
たしかに主人公ざまぁwwwwwなんだが、
それで気分スッキリになれないあたりが、じつにこのスレ向きだな。

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