キャラクター・コレクション―ファンタジーRPGの職業・役割/錬金術師(安田均・グループSNE)
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473 名前:本当にあった怖い名無し :2009/06/24(水) 09:41:29
- 昔富士見かなんかで出てたラノベ。
ファンタジー世界の職業とかをモチーフにした短編連作集だったと思う。タイトル忘れた主人公は旅をしてるんだけど、その途中で錬金術師の師弟と知りあう。
「わしゃあ金を作るんじゃあ」とかじーさんが真面目に言ってて生暖かい気持ちになる主人公。
でも既に銅とか銀の精製には成功してる、と聞いてびっくりする。
動物の腸を使ってうんぬんかんぬん…知性の高い動物ほど
価値の高い金属ができるんじゃ!とじーさんは嬉々として説明する。
すごいなーと思いつつも何だか腑に落ちない主人公。
そこにじーさんの弟子の、若い兄ちゃんがでてきておかしそうに耳打ちする。
「俺がこっそり金属の欠片を魔法薬とやらに溶かして混ぜてるんですよ。
だから抽出すると金属がでてくるってわけ」
何でそんな事をしてるのかというと、弟子の兄ちゃんはじーさんの孫娘に惚れてて
嫁にもらいたいんだけど、じーさんはこれまで研究が中々進まず超不機嫌で
全然取りつく島がないので、とりあえず研究が進んだと思わせて機嫌を良くさせたいのだという。
「俺がこっそりやってるともしらず、成功だ!て無邪気なもんですよ」
じーさんは次は猿の腸で試すという。今度こそ金が作れるはずだ!と。
主人公が、では次は金を溶かしておくんですかと聞くと
金は上手く溶かして混ぜることができないのでまた銀でごまかす、と弟子は笑う。
そして折をみてじーさんに、孫娘を嫁にさせて下さいと頼んでみる、と。
主人公は師弟と別れ、次の街に行くのだがそこである話をきく。
とある街で錬金術師が実の孫を殺し、役人にとらえられたのだという。
弟子に事情を聞こうとするのだが半狂乱で「俺のせいだ!俺のせいだ!」と
叫ぶばかりで何も聞くことができないとも。
主人公はすぐにそれが自分が出会った師弟だとわかった。そして何がおきたのかも。
錬金術師は猿の腸からも金ができないことに業を煮やし、
更に知性の高い動物、すなわち孫娘の腸を使って実験をしたのであった……。細かい部分に違いがあるかもしれないけど確かこんな話。
このシリーズは他にも新婚旅行の船旅で海賊にさらわれた歌姫の行く末…とか鬱な話が多かった。
でもこれが個人的に一番後味が悪い話。
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474 名前:本当にあった怖い名無し :2009/06/24(水) 09:49:17
- 途中でオチが十分わかってしまうまとめっぷりで、分かった時点でもう
先を読みたくなるほどの鬱だな。
でも、書いてあると読んでしまうのが人情で、読んでやっぱり鬱になる。
非常に後味が悪く秀逸。