ホット・ドッグ売りの老人

114 名前:本当にあった怖い名無し :2009/07/05(日) 17:33:21
小学校の時の教材で読んだ話が後味悪くて忘れられない。
なんの教科だったかはか忘れた

◆ホット・ドッグ売りの老人◆

アメリカのニューブランズウイック州のある都市の農村地域の老人が、
ホットドッグ・スタンドを経営していた。その繁盛ぶりといったら!

この老人のおいしいホットドッグの噂は数マイル四方に知れわたっている。
人々は老人のホットドッグを宣伝する全国一大きな公告板に目を止め、
ひとつ試してみようと、その道路の脇の食堂に集まってくる。

老人は客を戸口の前で出迎え、にこやかな笑顔で、陽気に愛想を言い、
「ひとつと言わずに、2つどうです。ほんとうにおいしいから。」と勧める。
客のほうも、まさに最高の今まで味わったことのないほど食欲をそそるホットドッグに大喜び。
パンは焼き立て、薬味のピクルスは歯ごたえがよく、マスタードの風味は絶好だし、
玉ねぎの煮えぐあいもぴったりで、それを笑顔で差し出すウェイトレスも感じがいい。

客は唇をなめ、「ホットドッグがこんなにおいしいとは知らなかった」と言いながら店を出る。
老人は彼らを自動車まで送り、手を振って言う。
「また来て下さい。私には商売が必要だし、ここで働いている若者たちは、
 大学の学費をためているんだから」
客はまたその言葉でやってくる。


115 名前:本当にあった怖い名無し :2009/07/05(日) 17:34:05
続き

群れをなしてやってくる。
こんなに繁盛している店の店主の老人だから、ラジオを聞く暇も、新聞や雑誌を読む暇もなかった。
もちろんそんな世間のことよりも、おいしいホットドッグを作ることや
客の喜ぶ顔やそこで働いている学生たちのうれしそうな顔に興味があったのだ。
ある日老人の息子が、帰ってきた。
この息子はハーバード大学で経営学の修士号と経済学の博士号を取得していた。
息子は父親の経営ぶりを一目見るなり言う。
「なんていうことだ!父さんは最近ラジオを聞きましたか。新聞を毎日読んでいますか。雑誌は?
 今世の中はひどい不景気なんですよ」
息子は事態がどんなに恐ろしいことになっているかを更に語った。
父親は今後どうすればいいかを息子に尋ねた。
「今はコストの削減が必要なんです!公告板の使用をやめ、宣伝費を浮かせましょう。
 6人の人員は2人にして労働費用を節減しましょう。父さんは道路わきで時間を無駄にしないで、
 調理を受け持つのです。仕入れ先には、安いパンとソーセージをよこすように言いましょう。
 マスタードとピクルスも安い品に変え、玉ねぎはいっそのこと抜きましょう。分かりますか?
 企業をばたばた倒産させているこの不況を乗り切るために、これだけの経費の節減が必要なのです」

父親は息子の助言に感謝した。そして考えた。
「これほどの学歴のある息子の言うことだから間違いないだろう。息子はニュースもきちんと読んでいる。
 息子の言うように全国いたる所で商売が旨くいってないなら、このあたりもいずれ悪くなるだろう。」
そこで老人は息子の言う通りにすることにした。公告板は降ろされ、父親は調理場に引っ込んで安物だけを扱い、
たった一人のウェイトレスが給仕をすることになった。

2カ月後、息子がまた帰ってきて、商売の調子はどうかと父親に尋ねた。
父親は今は人気のない店、店の前をそのまま通り過ぎて行く自動車、
空っぽのレジに目をやり、息子に向かって言う。
「おまえの言うとおりだった!間違いなく、我々は大不況の真っ只中にいるんだ。」


116 名前:本当にあった怖い名無し :2009/07/05(日) 18:00:19
>>114
>ニューブランズウイック州
そ、そ、そ、そ、そ、それはカナダだ!

もっと悲惨な描写が有ると思いきや
思いっきりアメリカンジョークなオチに
ワロタ


117 名前:本当にあった怖い名無し :2009/07/05(日) 18:17:31
カナダかwホットドッグといえばアメリカだよな

小学校の時は子供ながらに胸が痛んだよ
おじいさんかわいそう、ってw
頭が良くてもこの息子みたくはなりたくないなぁと思った


120 名前:本当にあった怖い名無し :2009/07/05(日) 19:32:06
ホットドッグ食いたくなった