ホーム » 小説 » その他書籍 » 看護婦が見つめた人間が死ぬということ(宮子あずさ)

215 名前:本当にあった怖い名無し :2009/07/28(火) 15:05:16
宮子あずさ「看護婦が見つめた人間が死ぬということ」で、
著者の知人男性の話として載っていた話。

知人男性(以下A)は田舎から出てきて、東京で公務員として働いていたが、
田舎の父親が肝臓ガンになってしまった。
進行していたので手術もできなかったが、母親が
「東京の病院ならもしかしたら手術できるかも」
と肝臓ガンの名医がいる大学病院に入院させるが、
そこでも「手術の適応はできない」との診断。
すっかり気が弱くなってしまった父親は
「もう自分の老い先は短いから、田舎に帰って家族みんなで暮らしたい」
とAさんと、同じく東京で働いていたAさんの兄を呼び寄せ、
父親は地元の病院で治療を受けることになった。

Aさんは仕事を辞めて田舎に帰り、つきあっていた恋人とも離れて暮らすことに。
Aさんの兄はすでに結婚して子供もいたが、奥さんとの話し合いがこじれてしまい、離婚。
お兄さんは一人で田舎に帰ることになった。

短い間だから家族みんなで最後の思い出を作ろうとしてのUターンだったが、
父親の経過は良く、ガンを宣告されて4年目を迎えても、まだまだ元気だった。
兄弟は実家の店を手伝ってはいるが、そうそう忙しい訳でもない。
父親が元気なのは嬉しいが、自分たちの払った犠牲は大きい。
ついつい親に当たってしまったりして親との関係もぎくしゃくしてくるし、
病人に優しくできない自分が嫌になってしまう、
俺はどうしたらいいだろう、と悩んでいる、という話。
Aさん兄弟とその家族は、結果的に父親に振り回されてしまったわけだが、
誰が悪いという訳ではないので、なんともやりきれない。

 

看護婦が見つめた人間が死ぬということ (講談社文庫)
看護婦が見つめた人間が死ぬということ
(講談社文庫)


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