バタフライ・エフェクト

642 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/06(木) 17:44:36
さて、映画の「バタフライ・エフェクト」。
セル版の別エンディングが後味悪いと評判だったので、買って観てみた。

「1匹の蝶の羽ばたきが、地球の裏側では竜巻を起こすかもしれない」という、
「カオス理論」を元に作られた映画。簡単なあらすじは以下。


643 名前:バタフライ・エフェクト 1/4 :2009/08/06(木) 17:46:18
父親が精神病院に入院しているため、母子家庭の状態で育った主人公。
彼は、幼い頃、しばしば記憶が飛ぶことがあった。
記憶力を高めるため、ということで、医師から日記を付けるように指示される。

色々事件があった後、主人公は住む町を引っ越すことになった。
引越しの当日、見送りに来てくれたヒロイン――小さい頃からの幼なじみである彼女に、
「君を迎えに来る」というメッセージを残し、主人公は町を離れた。

それから7年後。町を離れて以来、主人公は記憶が飛ぶことは無かった。

とある切っ掛けで、自分が幼い頃に付けてきた日記を読み返したことにより、
当時は確かに覚えてなかったはずの、空白の記憶の中へ移動してしまう。

しばらくして目を覚ますと、それまでの歴史が変わっていた。

自分の記憶を確かめるため、元住んでいた町へ戻り、ヒロインに会う主人公。
だが、過去のある出来事に触れた途端、彼女は激昂し、再会は物別れに。
翌日、主人公の元に、彼女の兄から留守電が入る。彼女が自殺した、という報せだった。


644 名前:バタフライ・エフェクト 2/4 :2009/08/06(木) 17:49:30
それからも何度か過去へ戻り、空白の記憶を追体験し、その中での自分の行動を変えることで
未来も変わると確信した主人公は、それから何度か時間の逆行を繰り返す。

しかし、その度に書き換えられる現実は、自分やヒロインのみならず、
他の幼なじみや主人公の母親にとっても、悪くなりこそすれ、決して良くなることはなかった。

実は、父親も同じような能力を持っており、未来を良くするための時間の逆行を繰り返し、
その齟齬から生じた奇妙な言動から狂人として扱われ、精神病院に入れられていたのだった。

そして、何度も時間の逆行を繰り返したことで、破壊と再構築を繰り返した主人公の脳は激しく損傷し、
医師には「もう助からない」と断言されてしまう。

主人公は、自分の小さい頃のホーム・ムービーを観て、時間を逆行する。

どこかのホーム・パーティーらしき場所で初めて出会う、主人公とヒロイン。
主人公は「そばに来るな。近づいたらお前らみんな殺すぞ」と幼い彼女の耳元で囁き、
母親の元へ走っていく彼女に、「さよなら」と小さく告げた。

そうして現実に戻ってくると、彼女とはあの時点で縁が途切れたようで、
幼なじみに彼女の名を尋ねても「誰、それ?」と言われるだけだった。
主人公は、過去に戻れないように、全ての過去の記録や日記を燃やした。


645 名前:バタフライ・エフェクト 3/4 :2009/08/06(木) 17:49:57
(以下、劇場版でのエンディング)
それから数年後、街を歩く主人公。
成長した彼女とすれ違うが、もちろん彼女に主人公がわかるはずも無く。
声を掛けずにそのままやり過ごし、エンド。

(レンタル版用の、劇場版とは別のエンディング「ストーカー編」)
数年後、街を歩く主人公。
成長した彼女とすれ違うが、もちろん彼女に主人公がわかるはずも無い。
声を掛けないまま、彼女を後ろからすーっと後を付ける主人公、でエンド。

(レンタル版用の、劇場版とは別のエンディング「涙のハッピーエンド編」)
数年後、街を歩く主人公。

成長した彼女とすれ違い、視線を交わす。
「どこかで…?」と彼女に聞かれ、名前を名乗る主人公。
次いで名乗ろうとする彼女の名前をズバリ言ってしまい、少し誤魔化す。
「今度コーヒーでも飲まないか?」「いいわ」
会話が弾んでいるような描写のまま、エンド。


646 名前:バタフライ・エフェクト 4/4 :2009/08/06(木) 17:52:06
(セル版のみで観られるディレクターズカット)
母親と食事した際に立ち寄った占い館で、占い師に
「あなたには魂が無い。この世に生まれるべきではなかった」と告げられる主人公。
その流れで、実は、主人公の前に2度死産していると、母親から知らされる。

(セル版のエンディング)
主人公の母が出産しようとしている時に撮られたホーム・ムービーを観て、時間を逆行する。

陣痛が始まっているらしく、苦しそうにしている母親。
子宮の中の主人公は、胎内で自分のへその緒を首に巻き付け、自殺する。

そして、「前に3人、死産しているの」という母親の台詞の後、
幸せそうな顔で、腕に赤ん坊を抱いた母親と、顔が別の父親らしき人物が写る。

幼なじみや、ヒロインの幸せそうな様子が流れ、エンド。
———————————————–

セル版のみの、「自分なんか生まれなければ良かったんだ」ってのが、
積極的に肯定されてしまうエンディングは、確かに後味が悪い。

その後に観たオーディオ・コメンタリーによると、
時間を逆行する能力は男性のみに受け継がれるとかで、4人目は女の子だから無事だったとか。

「違う未来」の母親の相手や、ヒロインの結婚相手を監督や脚本の人がやってたらしいんだけど、
両者とも凄く嬉しそうな様子が、エンディングと相俟ってなんとなく後味悪かった。


647 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/06(木) 19:24:42
あらすじ乙
個人的な後味悪いポイントを勝手に補足する

・はじめにヒロインが自殺した理由
ヒロインの両親は離婚しており、父方についていったヒロインは性的虐待をされていた。
幼少期、その父親はヒロインと主人公を地下室に連れていき、裸にさせてその様子を撮影した。
主人公は「寒いから早く服着たいな」としか思わず、大人になってからもその思い出は、
ただ女友達のお父さんがビデオを撮ってくれた記憶としかなっていなかった。
そのため、大人になってから再開したヒロインに「昔一緒にビデオ撮ってもらったよねー」とごく軽く語ってしまう。
それが引き金となって過去の性的虐待を思い出してしまったヒロインは自殺してしまう。

・ヒロインには母方についていくという選択肢もあったが、ホームパーティーで出会った主人公を好きになったので、
主人公の傍にいるために引っ越しをしたくないと父方に残ることを選び、結果虐待を受けるようになっていた。
過去に戻った主人公が暴言を吐いたことで、父方に残る必要がなくなり、母のもとで真っ直ぐに育つようになる。

巻末の監督の発言によれば、本来の最終回が一番のハッピーエンドなんだそうな。
「涙のハッピーエンド編」も見せかけだけのものにすぎない。
主人公はせっかくヒロインとの出会いの場まで戻って仲を断ち切ったにも関わらず、
また交わってしまっては今までの話の積み重ねの意味がない、という意見だそうな。
二人が関わると必ずなんらかの不幸な事が起こるんだとか。

 

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