ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その106 » 砂の方舟(宮脇明子)

733 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/08(土) 21:26:19
「砂の方舟」という漫画の山場のエピソード。

舞台は地方の炭鉱町(ちなみにこの漫画は20年以上前の作品)で、
主人公は東京から赴任してきた炭鉱会社の重役の娘なんだけど、
それとは別に、予知能力っぽいものを持つ地元のイタコのような家系のサブヒロインがいる。
ある日、その少女は炭鉱の火災事故で大勢の作業員が犠牲になるビジョンを見た。

少女は近々事故が起こるから坑道に行かないようにと団地の鉱夫たちを説得して回るが、
みんな「多少設備が近代化されたとはいえ、炭鉱が危険なのは常に当たり前のことだ。
こっちは生活がかかっているので、いつ起こるとも当てのない事故の予知なんかで仕事を休めない」
と相手にされない。妙な風評を流すなと会社の息のかかったヤクザに脅され、少女の家が襲われたりもした。
ところで、少女が微かに想いを寄せている同級生の少年も、父親が鉱夫だった。
少女は再び、父親の遺体を前に「生きていたかもしれないのに…」と呟いている少年のビジョンを見る。
せめて少年の父親だけでも助けたいと思うが、結局うまく伝えられず、ある日とうとう炭鉱事故が起こる。

なかなか進まない消火や救助に苛立つ鉱夫の家族たちと、坑内への放水を決定する会社側。
年寄りたちは「昔は炭鉱火災が起きると、人命よりも会社の利益を優先して
火が燃え広がらないよう、中に大勢の鉱夫を残したまま穴を土で埋めて蓋をしていたと聞く。
さすがに今の時代そこまでは出来ないだろうが、本質は変わってないねぇ…。
今 水を流し込むと、いるかも知れない生存者まで溺死で全滅させてしまうのに
きちんと確認するより先に、機材の損傷を最小限に食い止める方が大事なんだねぇ…」と噂し合う。
放水で鎮火した後、少年の父親の遺体も回収されたが、火災死にしては意外ときれいな死体だった。
少年は思わず「生きていたかもしれないのに…」とポツリと漏らす。

最初に少女のビジョンが出てきた時は
「(少女の予知を信じて休んでいれば)生きていたかもしれないのに…」
みたいな意味で言ってるんだろうと思っていたが、実際には全然別のニュアンスで驚いた。


734 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/08(土) 22:09:07
>>733
その漫画、知っているが、イタコ能力を持つサブヒロインが主人公じゃなかったか?
重役の娘の方はチョイ役っぽかったが

うろ覚えだが、自分が後味悪かったのは、口封じのために風邪で寝込んだ少女宅に
チンピラを押しかけさせて集団レイプさせ、その祖母をぬっ殺させた展開だな

しかも風邪で休んだ少女を心配して訪れたのが、件の少年で…
荒らされた家で切れた電話線の電話の受話器を握り締めて救急車を呼ぼうとする少女と
その膝の間から流れる血が生々しかったし
これだけのことをされたのに警察では少女がチンピラを招き入れて乱交したことにされて
後味の悪さが半端なかった


735 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/08(土) 22:15:50
>>733
あ、それ読んだ事ある。凄く鮮明に思い出したな。

会社側の雇ったヤクザも酷かった。
襲われる=レイプだったような…
そしてサブヒロイン(美少女)が警察にどんなに訴えても警察もグルで
「あなたが以前から交際していたこの男(レイプした相手)とセックス中に
 祖母が帰ってきて祖母と口論になった。交際を反対されてカッとなったあなたが祖母を突き飛ばし、
 頭を打って意識不明…と。怖いねえ最近の女子高生は~」
みたいに全く相手にされないどころか勝手に話を作られる。
警察がこういう態度って怖すぎる…と((((( ゚Д゚;)))))))ガクガクブルブルしたよ。

結末も後味悪かったから書かなきゃいかんと思う。
数年後に東京で全員が偶然再会する(ヒロインの重役の娘、サブヒロインのイタコ娘、同級生少年)
イタコ娘は同級生男を見て、また予知をしてしまう。彼の乗る飛行機が墜ちる。
必死で止めてもやっぱり信じない男。イタコ娘はヒロインに「彼を死なせたくない」と訴える。
ヒロインは複雑な思いで(彼女も同級生男が今も好きだった)男の乗る予定を勝手に変更する。
その飛行機に乗らなかった男は助かり、飛行機はやっぱり墜落、全員死亡。
が、その後イタコ娘と同級生男の前からヒロインは消えてしまった。
いい感じになる二人。

…その頃。ヒロインは飛行機事故の時に、売れない劇団員の友人と一緒にある計画を立てていた。
墜落する飛行機には、実はなにかの予定で政財界の大物が何人も乗る予定だった。
そのうちの数人だけに声をかけ、飛行機の予定を変更させ、さらに政敵は
そのまま乗せてアボンさせればいいじゃん!と「偉大な予言者の巫女さま」の
お告げとして伝えていた。飛行機が本当に落ちたことで、日本の陰の偉い人間が
「巫女様」のお告げを聞きに大金を持って頭を下げにやってくる。
ヒロインは「巫女様」の仲介人のようなことをして、劇団員の友人が「巫女」役。
二人は幸せになればいい。私はこうしてやっていくわ!
みたいな終わり。


736 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/08(土) 22:23:59
>>735
代わりにヒロインが死ぬかと思ったらそんなオチかw
男より権力をとるとは漢なヒロインだなw

742 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/09(日) 09:35:15
>733-737

宮脇明子の作品だね。ドラマ化された「ヤヌスの鏡」の作者。
ちょうど連載された時期が、「週刊セブンティーン」からマンガ撤退の直前だったけど
(今の「SEVENTEEN」は、名前こそ同じだけど「週刊セブンティーン」とは別物化してる)、
作者としても、作風がサイコ・サスペンス系(代表作が「ヤヌス」)からコメディタッチのサスペンス
(代表作は「名探偵保健室のオバサン」で、これもドラマ化)に移行しようとしていた頃なんだろうけど、
リアルタイムで「砂の方舟」読んでた自分としては、「なんで毎週こんな重たい話読まなきゃならんのだ・・」
と、鬱展開にげんなりしていた記憶がある。

それから10年ぐらい後に、続編が「愚か者の宴」というタイトルで出ていたけど、
貼られた伏線が回収されないまま終わり、モヤっとした。


751 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/09(日) 14:37:17
>>742
宮脇明子、こんな欝な話の続編を10年も経ってから描いたのか
よく編集部が描かせてくれたな

 

砂の方舟 1 (セブンティーンコミックス)
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砂の方舟 2 (セブンティーンコミックス)
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愚か者の宴 (YOUNG YOUコミックス)(続編)
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