ムスペル

57 名前:1/2 :2009/10/06(火) 01:07:44
異世界ファンタジー系RPG ムスペル

【前提】
物語世界には、「5百年前に勇者と聖女が魔王を封印した」という伝説がある。

剣士と女魔術師は同じ村で育った幼馴染。
二人は村を出て旅するうちに、聖女と魔王の間に生まれた子供の生まれ変わりの娘と知り合う。
しかも魔王が転生娘を寄り代として、復活しようとしていた。
二人は転生娘を救うため、500年前に魔王を封印した勇者に力を借りて魔王を再度封印した。

その後、剣士と女魔術師は転生娘とに旅をして、転生娘を二人の故郷の村に連れて行った。
しかし封印が不完全だったのか、そこで転生娘に魔王が宿った。
村人たちは魔王に操られて、剣士と女魔術師に襲い掛かった。
怪我をして戦えなくなった女魔術師を守るために、剣士は村人たちを殺した。
老人も、幼子も、そして両親も、一人残らず斬り殺した。
大切な人たちを自分の手で殺す苦しみから剣士の精神は壊れ、
人を殺傷することに快楽を感じる殺人鬼に成り果てた。

転生娘から魔王を追い払うことには成功した。
その後、500年前の勇者が転生娘を魔王から守り抜く方法として
「転生娘を殺す」ことも視野に入れたためか(殺せば魔王に乗り移られることはなくなる)、転生娘は逃げた。
女魔術師はもう転生娘に関わりたくなかったが、500年前の勇者に
「協力したら、剣士の精神を治療してやる」と言われて、転生娘を追うことになった。


58 名前:2/2 :2009/10/06(火) 01:09:52
一年後、3人組は転生娘を見つけた。
いろいろあった末に転生娘は「魔王を倒さない限り、自分の人生を手に入れられない」と
覚悟を決め、友人たちと共に魔王を撃破することにした。
500年前の勇者は「魔王は封印されている=異界にいる。だから今までは直接魔王に
手を出すことが出来なかったが、異界への入り口を発見した」と転生娘たちに教えた。

異界へ行った転生娘たちの前に、剣士が立ちふさがった。
「お前が俺の人生を壊したんだ」
そう叫んで転生娘に斬りかかったが、女魔術師が剣士の前に立ちはだかったため、
女魔術師を斬ってしまった。

倒れた女魔術師は転生娘に
「たとえ押し付けられて義務でも、あなたは最後まで生きなきゃいけない」と告げて、息を引き取った。
女魔術師を殺してしまった剣士は、もう何もかもどうでもよくなって、
なんとなく転生娘たちと一緒に魔王の元に向かった。

転生娘たちは魔王を倒し、実は魔王以上に邪悪だったと判明した500年前の勇者を倒した。

その後、剣士は廃村となった故郷の村へ行った。
本当は剣士は人を殺すことに快楽を感じる自分、人を殺し続ける自分に、強い嫌悪を感じていた。
いっそ死んでしまいたかった。
しかし女魔術師の最後の言葉
「たとえ押し付けられて義務でも、あなたは最後まで生きなきゃいけない」を思うと、自殺することも出来なかった。
「一体俺はどうすればいいんだ」
剣士は慟哭した。


59 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/06(火) 01:17:06
補足:
転生娘の友人たちと言うのは、転生娘が剣士たちから逃げ出した後に出会った人たちです。

62 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/06(火) 04:57:05
展開がヘビー過ぎると思ったら一般の人が作ったんだな
救いがなくてよかったです乙

68 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/06(火) 08:18:18
>>58
実は魔王以上に邪悪だった勇者ってどういう意味?

77 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/06(火) 12:49:24
>>68 >>70
長くなるので省いたんですが、勇者視点を追加します。

500年前、聖女と勇者は魔王討伐に赴いた。
魔王は元は人間だったのが、孤独で不幸な生い立ちと卓越した魔力のために魔王になってしまった存在だった。
勇者と聖女に魔王は自分の不幸を語った。魔王の話を聞いた聖女はすっかりほだされて、魔王と恋仲になった。
魔王の孤独の一因は、その卓越した魔力にあった。
だから魔王は、同じように卓越した能力を持つ勇者に友情を感じていた。
聖女と勇者は魔王を異界に封印して現世に手出しできないようにしたが、それ以上のことなしなかった。

しかし選民意識バリバリの勇者は内心面白くなかった。
魔王の不幸語りなんて片腹痛いし、自分のモノだと思っていた聖女を魔王に取られたのも気に入らない。
だが表面上は取り繕って聖女を祝福し、魔王に友人として接し、時々異界の魔王に会いに行っていた。

そして、500年後。
ころあいを見計らって転生娘たちに異界への行き方を教え、
転生娘たちが魔王を倒すのを影からこっそり見ていた。
魔王は転生娘たちに倒された後、「なぜ勇者が来ない? このままでは死ぬに死ねない!」と叫んだ。

そこで場面が切り替わって、転生娘たちは黒一色の場所にいる。
転生娘たちの前には勇者と、暗い光を放つ巨大な球体があった。
勇者は「この光は魔王が貯めこんできた巨大な魔力。これを使えば現世に怒った今までの不幸は
全部なかったことにできるし、人類皆幸せな未来を構築することが出来る。女魔術師だって生き返る」と
告げた。
しかし転生娘たちは「与えられる幸せになんか興味はない」と、勇者の提案を拒否した。

拒否されて勇者は激怒した。倒したばかりの魔王をその場に呼び出し、状況が飲み込めていない
魔王を切り殺して「私に殺されたんだ、嬉しいだろう?」と言う。
そして魔王へのこれまでのムカツキを語った後に、強引に多幸症の世界を構築しようとするが、
転生娘たちに倒される。


78 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/06(火) 12:56:22
補足:
一旦はおとなしく封印された魔王が、自分の子供の生まれ変わり(転生娘)を利用してまで
現世に戻ろうとしたのは、聖女を人間に殺されたから。
理由は説明されていないが(魔王の子供を産んだからか?)、
勇者の国が聖女を殺し、勇者は聖女を守らなかった。
魔王は勇者を「あなたは魔王たる私より強いんだろう? なぜ聖女を守らなかった!」と責めた。
勇者は「人間やめたお前には分からないだろうが、人間にはいろいろしがらみがあるんだ!」と
言い返した。