太郎柿次郎柿(宮部みゆき)
ある料理屋の二階で、若い男性客が絞殺されてるのが発見され、
その男性客の周りには華美で高価な干菓子の詰め合わせが散らばっていた。
被害者は直ぐに身元が判って、近くの大店の手代Aで、この日誰かと待ち合 ...
玉野五十鈴の誉れ(米澤穂信)
主人公は名家の一人娘。
女系一族で祖母が女主として君臨し、母も婿養子を取って家を守っていた。
タイトルの玉野五十鈴は主人公と同い年の側仕え。
身寄りはないが頭の良い娘で主人公にとってはしもべにして無二の友人でもあった。
跡継ぎを外に出すことも、家を治めるのに ...
佇むひと(筒井康隆)
多少記憶で歪められちゃってるかもしれないですが。
『佇むひと 1/2』
主人公は小説家。薄っぺらい娯楽小説ばかりを書いている。
内心ではもっと毒にも薬にもなるような過激なものを世に出したいと
考えているが、言論弾圧 ...
隣の家の少女(ジャック・ケッチャム)
謎解きもない。
「犯人」の心理に深入りするものでもない。
「被害者」の追い詰められる心理が描かれているわけでもない。
何かすげぇ事実が明らかになっていく話でもない。
読者が「やられた。。」と唸るよなドンデン返しがあるわけでもな ...
手斧が首を切りにきた(フレドリック・ブラウン)
マザーグースの、「ろうそくがお前のベッドを照らしにきた、
そして手斧がお前の首を斬りにきた」という歌詞がある童歌がモチーフになっている。
主人公は、両親を早くに亡し
地元ファミリーのボスの下で使い走りをしている不良青 ...
てんびんばかり(宮部みゆき)
江戸物。元は仲の良いお隣同士だった家族が、家事や災害、病気などで
両親達が死んでいき、娘同士だけになってしまった。
二人は一緒に住んで「いつか二人で飯屋をやろうね」と姉妹として貧しいながらも暮らしていた。
ところが突然、いつも主人公の「姉」の背後に ...
大望の客(ナサニエル・ホーソーン)
スイスの山間の谷に、こじんまりしたホテルがあった。
穏やかな両親と、働き者の年頃の娘、やんちゃな幼い弟という
家族経営のこのホテルに、ある大雨の夜に、若い青年が宿泊して
夕食後にひと時、家族と談笑していた。 ...
探検隊帰る(フィリップ・K・ディック)
アメリカのとある街の郊外の空き地に、宇宙船が不時着した。
しばらくして、中からクルーが現れる。クルー達は顔を見合わせて喜んだ。
「やった!やっと地球に帰ってきたぞ!!」
彼らは1年前に火星探索のため打ち上げられた宇宙飛行士達だった。
しかし ...
罪ある者の象徴(浅川次郎)
ある団地に新婚夫婦が引っ越してきた。
妻は普通としかいいようがない人だが、夫は仕事もできる、イケメンという不釣り合いなふたりだった。
ただ夫は母ひとり子ひとりの家庭に育っていた。
妻は夫が自分を選んでくれたことにとても喜んでいて献身的に妻という役割をこなしていた。
ところ ...
年老いた雌狼と女の子の話(野坂昭如)
戦時中、キクちゃんという女の子がお母さんやお兄ちゃん達と満州で暮らしていました。
戦況が厳しくなり満州の日本人達が日本へ引き上げるぞという時になって
キクちゃんは麻疹を発症してしまいます。
他の子供達に伝染って集団で発熱したら引き上げ ...