お願い(ロアルド・ダール)
小さな男の子が大階段の踊り場から玄関ホールを見下ろしている。
広いホールは赤黄黒の三色の抽象柄の絨毯が敷いてある。
(ぼく知ってるよ、赤いところは石炭が真っ赤に燃えてるんだ。黒いところはご本で見た毒蛇の群なんだ)
(黄色いところだけ踏んであっちまで行 ...
奥様が墓場まで持っていく黒い過去【黒の14】より
939: 可愛い奥様 2011/04/02 19:33:19 ID:5hcpDWN80
ちょっとだけ黒いかも。
高1の時の話。
校則厳し目の女子校で、月に一度抜き打ちの持ち物検査があった。
始 ...
顔のとこハエが飛んでるよ
小学校のときクラスに半ばイジメだろっていう感じで弄られてた子がいたんだが、
社会科見学でゴミ焼却場いったときに、
その子の顔の周りにコバエみたいのが飛んでて、
それ見て思わず「顔のとこハエが飛んでるよ」っていったら、
その一言で弄って ...
ふろん(岩泉舞)
男子中学生の主人公(A)が、ある日女友達と(B)歩いていると、
誰かに呼ばれた気がして振り向く
しかし、誰も居ない
その時、Aは何か大事なことを忘れている気がした
次の日学校に行くと男友達から「あれ?お前の名前なんだっけ」みたいな事を言われ、
自分で ...
日記帳(江戸川乱歩)
内気でプライドの高い青年が病死した。
兄が遺品の日記帳をめくって故人を偲んでいると、
弟は遠縁の美しい娘、雪枝さんに時々手紙を出していた事がわかった。
おや、と思って手文庫を探ると、
雪枝さんからの絵葉書が大切に紙に包まれて、一番下に安置されている。
文面 ...
汚ない机
Nの服さわった手でタッチばかやめろこっちくんなみたいな鬼ごっこ、
そこからエスカレートしてNの鉛筆やノートを保菌物あつかい…まあ普通にイジメ。
その日はやけに盛り上がって給食の配膳中まで騒いでたのを、
Nと ...
死んでまでナルシストって最悪ー
数年前のことだけど、今でも時々思い出して微妙な気持ちになる話。
Aさんという人がいて、仕事中に職場で突然倒れた。心不全だった。
救急車を呼んだけど病院に着いたときには手遅れだったそうだ。
Aさんは単身赴任だったがずいぶん長くその場所に住んでいたので、
亡骸は遠方に住 ...
ウミガメと少年
その頃は8月の初旬で、原爆絡みで戦争関係のアニメをしていた。
そのアニメが後味が悪かった。
あんまり覚えてないから、所々違ったらごめん。
戦時中、家族もいない一人の少年が浜辺に辿り着いた。
向こうの空では戦闘機が爆弾の雨を降らせてい ...
私は誰でしょう(石川さつき)
「わたしは誰でしょう」
私は職場の休憩時間にちょっとふざけてみた。
同僚は戸惑ったように顔を見合わせてから、
何言ってんのよ仕事に戻るわよ、と席に戻った。
「わたしは誰でしょう」
意地になって言い続けていたら上司が ...
残酷の一夜(楳図かずお)
子供が生まれたばかりの夫婦の元に全身黒づくめの男が訪れる。
男は自身を死神と名乗り、鞄から水晶を取り出して見せた。
「今なら間に合う。その赤ん坊を今すぐ殺しなさい。でないと・・・」
水晶には、年老いた夫婦を殺そうとしている傷だらけの男が映っていた。
い ...