まんが日本昔ばなし/「人形の嫁」

568 名前:本当にあった怖い名無し :2010/01/20(水) 11:59:00
まんが日本昔ばなしの一話。

ある男が裕福な老夫婦の屋敷に雇われ作業で訪れた際、
奥の部屋に等身大の美しい人形があるのを見掛けて、魅了された。
すっかり見惚れてしまい、少しの期間でよいので自宅へ貸し出して欲しい
と男がお願いしたところ、老夫婦は人形にまつわる由来を話しだした。

自分達にはかつて一人娘がいたが、あまりに可愛いくて年頃になっても手離すのが惜しく
なかなか縁談が決まらなかった。しかしいつまでもそうしてばかりはいられないので、
娘が嫁に行った後も寂しくならないようにと、職人に頼んで娘そっくりの人形を作らせた。
しかしそれから間もなく、いざ縁談をと思った矢先、娘はぽっくり病死してしまった。


569 名前:本当にあった怖い名無し :2010/01/20(水) 12:02:20
男はそれでも是非にと頼み込み、しばらく人形を借りることが許された。
人形とはいえ、殺風景な男所帯の家に若い娘の姿が入ると、生活の雰囲気が華やいだ。
人形を借りて幾日か経った頃、不思議な事が起きるようになった。
男が仕事から帰ると、誰もいないのに部屋がきれいに片付けられ、食事の準備も整っていた。
それは次の日もそのまた次の日もずっと続いていった。
妙に思って、ある朝、出て行ったふりをして天井の梁に隠れ、様子を窺うと
人形が生きた女のように動き出し、掃除や炊事をしていたのだ。
驚いて男は床に飛び降りた。

この後、ギリシャ神話のピグマリオンみたいに晴れて二人は夫婦になるのか、
あるいは鶴の恩返しのように「見てしまいましたね、もう一緒にはいられません」
で去って行く(orただの人形に戻る)展開かと思っていたら、
飛び降りざまに慌てて伸ばした男の手でバランスを崩し、娘の人形は囲炉裏へ倒れ込んだ。
男は急いで火を消そうとしたが、木と紙でできた人形はたちまちメラメラと燃え上がり、
アッサリ灰になってしまった。

男が屋敷の老夫婦のもとへ事情を話して平身低頭で謝罪に行くと、
「あの子は嫁に行けずじまいで死んでしまったことがよほど心残りだったのだろう。
私達の愚かさで可哀想なことをしでしまったが、あなたのおかげで短い間でも新婚生活を経験できた。
生き写しの人形を形見と思って大事にしてきたが、それがかえって娘の未練をこの世に留めることになり
燃えて失くなった今、娘の魂は成仏して行ったのだろう。これで良かったのかも知れない」
と感慨深く老夫婦が語って終わり。

…え?これで終わり?って感じで、肩透かしを喰ったみたいにモヤモヤが残った。
娘も、べつに男が好きだったというより、単に一度嫁いでみたかっただけみたいな感じだし。


570 名前:本当にあった怖い名無し :2010/01/20(水) 12:25:34
成仏できてよかったじゃないですか。後味すっきり。

571 名前:本当にあった怖い名無し :2010/01/20(水) 12:55:12
老夫婦の大切な人形がダッチワイフ代わりにされなくて後味すっきり

572 名前:本当にあった怖い名無し :2010/01/20(水) 13:40:31
>>569
昔は、結婚に対して「嫁の貰い手が無いなんてよほど問題が…」って感じだから、
「一度嫁いでみたかった」って未練も消えて成仏ってことで、後味すっきりだと思うなぁ