決壊(平野啓一郎)

246 名前:本当にあった怖い名無し :2011/12/06(火) 13:08:52.20
流れ豚切り

平野啓一郎の決壊も結構後味悪かった。

殺人事件が起きていて
主人公の弟が被害者になる。

主人公は昔から感情が薄くて、しかも頭が超イイし、犯罪とか起こしそうみたいな描写もアリ。
もしかしたら主人公が犯人では?ってミスリードしていて
実際途中からは作中で弟の嫁に犯人扱いされたり
マスコミに「犯人でしょう!」って糾弾されたりする。

最終的に犯人は若い男の子で男の子へ教唆を行ったのは
下巻でいきなり出てきた男で作中の絡みはたいしてナシ。
(実行犯よりも教唆の男の方が作中では重要なキャラクター)

主人公は疑いは晴れたものの特に慰労されるでもなく
マスコミの取材攻勢でぼけた母親にも「あんたが死ねばよかった」って言われるわ、
今まで周りにもすごく優しくしてきたのに同僚にも「あの人は犯罪を起こすかも…」とかって
証言されるはで主人公は疲れたっていって最後自殺。
カタルシスもなにもなかった。

話自体も後味悪いんだけど、教唆した犯人がいきなり出てきた男ってのも
小説的にどうなの、と思って後味悪かった…

 

決壊〈上〉 (新潮文庫)
決壊〈上〉 (新潮文庫)
決壊〈下〉 (新潮文庫)
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