マルセル盗難事件

238 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 14:30:26.67
某新聞の連載小説が書籍になったというのでTVで紹介されていたのだが、
それで知った昔の事件(連載小説はその昔の事件を題材にしている)

1960年代後半、フランスの画家・ロートレックの作品を一堂に集めた展覧会が京都で催された。
しかしその会場から当時の価格で一億円とも言われる名画「マルセル」が盗み出されてしまう。
この展覧会を開催するにあたって、フランスのあちこちの美術館からロートレックの絵を一括して集めるために、
フランス政府の協力まで得ていただけに、
貸し出してもらっている最中に盗まれましたなどと申し訳がたたないことおびただしい。
展覧会を開催していた美術館の館長は責任とって辞任するわ、大臣はフランス政府に平謝りだわ、
彼が見回っていた数分後にまんまと盗み出されてしまった美術館の警備員さんなどは
警察の連日の取り調べと自責の念に堪えかねて自殺してしまったくらいの大騒動となった。
しかし警察の必死の捜索もむなしく、名画「マルセル」の行方はようとして知れず、
七年の月日がたって事件は時効を迎えてしまう。
ところがその時効からわずか1カ月後、とある夫妻がA新聞の知人を頼って一報してきたのだ。
「知り合いの息子さんから預けられっぱなしの風呂敷包みの中にあった絵画が盗まれた「マルセル」かもしれない。
どうしたらいいのだろう」と。
はたしてその夫妻が所持していた絵画はまさしく「マルセル」だった。
夫妻のうちの奥さんが、昔から付き合いのあるご一家の息子さん(中学校の教師をしている)から
風呂敷包みのまま「これを預かってくれ」と頼まれ、中身も確かめずにそのまま押し入れに突っ込んでいた。
何年もそのままなので「そろそろ引き取りにきてくれ」と言っても相手は「そのままで」という。
その際に夫婦そろって中身を見、絵画であることは認識したのだが、
「マルセル」騒動から数年たっていたこともあり、夫妻はまったく気が付かなかった。


239 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 14:30:51.05
しかし時効が過ぎてひと月ほどたった頃、外国の美術書籍を眺めていた夫が、
自分の家にある絵画が盗まれた「マルセル」である可能性に気がついて慌てて新聞社の知人を頼った、
という経緯になる。
当然疑いの目は夫妻に風呂敷包みを預けた近所の息子こと中学生教師に向いた。
しかし教師も「知人から預かった」というばかりで、その知人の名前すら言おうとしない。
時効が過ぎ、刑事事件として扱えないこともあって、そのまま真相は迷宮入りした。

この教師がなんか嫌だ。↑にも書いたように、この事件では館長が辞任したり
警備員が自殺したり(取り調べではおそらくは彼も疑われたりしたのだろう)
何人かの人間の人生が狂っている。なのに犯罪を犯したかもしれない知人をかばいますかね。

しかしこんな大事件がほんの半世紀前にあったんだなあ。
あさま山荘事件とかよど号のっとりとか、そういう事件はTVの特集か何かで知っていたけど、
この事件はついぞしらなかった。預かり物を取られてしまった、という落ち度があるので
あんまり言いたくない話なんだろうか?


244 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 15:58:04.26
時効まで待った上で報告したってことはその夫婦も何か知ってるな

245 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 16:50:43.86
行政って
そういうのって美術品の管理の仕方がまずキチガイなんだよな
国民の財産なんだから
破損したり紛失したりは絶対してはいけない
だからそれを前提にした保険も一切かけない
原発も事故は起こってはいけないから
事故を想定した訓練はしないってのと同じ

 

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