姉妹(津田節子)

519 名前:忍法帖【Lv=13,xxxPT】(0/3:0) :2012/09/03(月) 16:05:35.89
津村節子の「姉妹」という小説。

主人公加代子は、父親違いの妹、好美と年老いた母を洋裁店を切り盛りして養っている。
真面目でしっかりものの加代子とは正反対に
美人だが若さを武器に彼女の稼いだ金で遊びまわる不良娘、好美。
そしてそんな好美を諌めない母親。

好美は母親の再婚相手の男性との間の娘であり、彼女の父親に遠慮した母は、
前夫との娘である加代子ばかり厳しく躾け、好美はつい甘やかしてしまった。
その為加代子はしっかり者となり、好美を短大へやって母を養うため
洋裁学校を出て働き詰めとなった。しかし好美はそんな姉を見ていながら夜遊びを繰り返していた。

そんな毎日のなか、
27歳だが浮いた話もなく働き詰めだった彼女に縁談が訪れる。
圭一という男やもめの相手は、年齢から気後れする彼女に優しくアプローチを仕掛ける。
当然母と妹にも引きあわせ、今まで考えもしなかった結婚を意識し始める加代子。


520 名前:忍法帖【Lv=13,xxxPT】(1/3:0) :2012/09/03(月) 16:06:25.61
ある日圭一の家に呼ばれた加代子は、アルコールの入った圭一に背後から突然抱きしめられる。
働いていたせいで、男というものを殆ど知らず免疫のない加代子は、キスを求める圭一を拒絶してしまう。
気まずい雰囲気のまま数日が過ぎ、圭一が加代子の家にやってくる。

「突然ですが好美さんとの結婚を許してください」突然妹との結婚を申し込んでくる圭一。
「私たち、愛し合っているの」と悪びれずにいう好美。
姉の結婚相手を奪ったというのに罪悪感もない好美。

そこで加代子は悟る。
自分とは違い、若さと情熱で圭一に体ごとぶつかっていった好美。
働き詰めで女らしい可愛らしさをすべてすり減らした自分。
圭一を愛していなかったと思い込まなければ、あまりにも惨めすぎる。
母だって自分より好美が可愛いのだから、そんな好美の婿に出来るのならよかったと思うだろう。
加代子はふらふらと二階に上がり、働き詰めの日々のなかに失った青春を思い涙をこぼす。

津村節子は後味悪い話のオンパレード。
加代子はこの後も、よほど立派な男が現れない限り幸福になれないんだろうな…
というのが容易に想像できて泣いた。
まあ一度キス拒まれただけで性懲りもなく
不良娘の妹のほうにコロッといく
圭一もダメ男だとは思うけど。
そう考えると「器の小さい男を不良な妹に押し付けてラッキー!」と思うのが
この話の唯一の救いなのかもしれない。


521 名前:本当にあった怖い名無し :2012/09/03(月) 17:59:06.29
>>520
姉さん不憫だね。
自分だったら妹にお金渡さないかも

523 名前:本当にあった怖い名無し :2012/09/03(月) 19:11:50.06
>>520
その妹、二、三年ぐらいでその男に飽きそうだな……。
「姉とつきあっている」から欲しかったんじゃないかとか、
そういう風に思えてしまう。