無罪の薬(星新一)

837本当にあった怖い名無し:2013/01/11(金) 23:14:05.58
星新一の作品タイトル忘れた

ある組織の男Aがどこかの研究所の極秘文書かなんかを盗みに入るが運悪く警報装置に引っ掛かってしまう。
Aは予め組織から「飲むと絶対に捕まる事はない薬」を渡されており、今がその時だと薬を飲み込む。
一体どんな効果があるのか…透明になり逃げ切れるのか狭い隙間から抜け出せるようになるのか。
しかしそのような現象は何も起こらずすぐに警備員が現れる。
話が違う!と逃げようとするAだが、体の自由が利かず逆に警備員に走りよっていく。
なんとAの飲んだ薬は意識と頭脳は元のままだが言動が池沼になってしまう薬でまさにアウアウアー状態。
本人の意志とは正反対におバカな事を口走ったり失禁したりで
警備員も「たまたま入り込んだ池沼だろう」とあっさり釈放。
その後Aは無事組織の仲間に回収してもらうが、あいにくまだ解毒薬は出来ていなかった。
組織はその薬をまた別の組織からもらい受けていて治せる見込みもない。
上役や仲間もAの様子を哀れんで薬の効果が切れるまでずっと世話してやろうとするが
果たしてどれだけかかるのか見当もつかない。
なまじ頭はそのままなだけに自分の意志と反する醜態を繰り広げるAは
いっそ死にたいと思うのだが、薬の効果で自殺することすら出来なかった。
薬が切れるのが先か、気が狂うのは先か、Aが絶望して終了。

 

未来いそっぷ (新潮文庫)
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